戦争と平和、そして無記

国際政治や歴史、およびその根底にある人類の心のメカニズムについて考察していきます。

第百十九回 積極財政は「ばら撒き」ではなく「返還」である

1.通貨発行についての勘違い 世間とは何か。答えは様々である。おびただしい量の世間論があり、見解を一つに統一することは難しい。だが、ある視点からすれば答えは単純になる。それが「金(Money)」という視点である。百花繚乱の世間論と違い、「金(Mon…

第百十八回 ワクチンを打たない人間は非国民なのか(3)

1.宮坂祐氏、死去 前回のブログで大阪大学の宮坂先生について取り上げたが、その時点では、私は宮坂先生の息子さんの件についてはまったく知らなかった。最初、その衝撃的なニュースを目にした時、私はフェイクニュースではないかと疑った。 ワクチン推進…

第百十七回 ワクチンを打たない人間は非国民なのか(2)

1.マーガリンを「バター」と呼ぶ 沖縄ではマーガリンのことを「バター」と呼ぶ人が結構いる。結果、両者の区別は極めて曖昧になる。ご飯の上にマーガリンをのせ、醤油をかけて食べる人がいる。 ushigyu.net もちろん、沖縄でもマーガリンの主たる用途はパ…

第百十六回 ワクチンを打たない人間は非国民なのか(1)

1.私のまわりのコロナ・ワクチン体験 新型コロナ騒動が始まって以来、二年近くが経とうとしている。世界の感染者数は累計で2億人を超え、日本は170万人である。私の限られた人間関係の範囲においても、4人がCOVIT-19に罹患している。その4名はPCR検査で陽…

第百十五回 ディープステートはどこにある(4)

1.快楽の城壁に風穴をあける 侮蔑のシステムは巨大である。そこでは我々は人間と見なされず、徹底的に「モノ」として扱われる。システムは次から次へと新たな欲望を作り出し、我々はそうした欲望を欲望させられる。我々はどこか遠くまで行って快楽を探す必…

第百十四回 ディープステートはどこにある(3)

1.侮蔑と侮辱の違い 大衆は侮蔑されたがっている。小林秀雄はそう述べた。だがこれは大衆の見地からすれば、意味不明な言葉である。世の中のどこを見ても、馬鹿にされて喜んでいる人はいない。刑法231条では侮辱罪が定められている。つまり、侮辱は「悪」…

第百十三回 ディープステートはどこにある(2)

1.テンカちゃんは肝心なことは黙る 前回のブログを読んだ人は思うかもしれない。なぜ厚労省は危険な添加物を認可するのかと。厚労省は自らを任務懈怠だと認めないだろう。彼らは主張する。認可された添加物は全て厳格な基準を通過した安全なものであると。…

第百十二回 ディープステートはどこにある(1)

1.みんなから感謝される悪魔 DS(Deep State ディープステート)という言葉を聞く時、頭に何が浮かぶだろうか。ロックフェラーであろうか。ロスチャイルドであろうか。あるいはそういった富豪を手下として使っていると噂されるシェルバーン一族であろうか…

第百十一回 薬屋の帝国と奴隷たち(2)

1.見慣れた風景と見慣れない風景 日本は豊かな国か。30年前ならYESと言えたかもしれない。だが今は言えない。ジャーナリストの中岡望氏は、日本経済の真の姿について次のように述べている。 news.yahoo.co.jp 特に深刻な問題が、日本の子どもたちを侵食す…

第百十回 薬屋の帝国と奴隷たち(1)

1.Money幕府は薬屋の言いなりになる 江戸時代の人々に、次のような予言をしたらどうなるだろう。 「およそ400年後、薬屋が莫大な力を持ち、幕府をも動かすようになる。大名や将軍もその意向には逆らうことができない。幕府は金庫から500万両を差し出し、薬…

第百九回 コロナより恐い同調圧力

1.誰がコロナを恐れるべきか ワクチンを打つなら、中身について何も知らない方が気楽かもしれない。「知らぬが仏」というものである。だがこのブログの常連読者でそういう人はいないだろう。自分の体に何が入るのか。真っ当に物事を考える人間なら疑問を抱…

第百八回 新型コロナワクチンと大出血(6)

1.「お考えください」は「考えないで打て」という意味 新型コロナウイルスに感染しても、ほとんどの人は重症化しない。無症状で終わるか、普通の風邪のような症状で終わる。それゆえ、ほとんどの人は自分が新型コロナウイルスに感染していることすらわから…

第百七回 新型コロナワクチンと大出血(5)

1.ワクチンの奴隷 前回のブログでは、「抗体依存性感染増強(Antibody-dependent enhancement 略してADE)」について取り上げた。ワクチンが目論見通りに働かず、むしろワクチンによって体内で形成された抗体が、免疫細胞等へのウイルスの感染を促進してし…

第百六回 新型コロナワクチンと大出血(4)

1.説明書から読み取れる「わからなさ」 新型コロナウイルス用ワクチン(正確にはコロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン)の接種が、我が国においても着々と進んでいる。2021年6月13日の時点では、医療従事者や高齢者への接種が優先されている状況であるが…

第百五回 新型コロナワクチンと大出血(3)

1.ウイルスと細菌の違い 人間が感染症に罹る原因は、ウイルスまたは細菌である。だがウイルスと細菌は、完全に別物である。だから細菌に有効な抗生物質は、ウイルスには全く効かない。今回はそういう基礎的なことから確認していこう。 細菌は生物であり、…

第百四回 新型コロナワクチンと大出血(2)

1.新型コロナウイルスやワクチンよりも恐ろしいもの 新型コロナワクチンの副反応については、大手メディアもかなりの量の報道をしている。以下のNHKの報道を見てもわかる通り、内容はそれなりに詳細なものではある。だが、中立公平な顔を見せながら、そ…

第百三回 新型コロナワクチンと大出血(1)

1.表のストーリーと裏の理由 新型コロナウイルス(COVID-19)のためのワクチンが世界に広まっている。その表向きの理由は、コロナ禍に苦しむ人類の救済である。大手メディアの報道によって構築されている表世界(おもてせかい)では、ワクチンこそが救世…

第百二回 戦争と平和、そして無記

1.自己分析としての戦争 国際政治の舞台において、真に何が行われているのか。世界はどうなっているのか。我が国と国際社会はどのような関係にあるのか。そもそも、戦争という巨大な災厄が起きる場合、どのような原因でそれが起こるのか。人間はなぜ、その…

第百一回 新しい時代に何を手放すのか(8)

1.純粋な耳だけが星々の声を聞く はじめ、モモは時間の国で奇跡の花に見とれていた。至上の花が咲き、枯れて、散ってゆく。すると、すぐにそれとはまったく異なる花が誕生する。その都度、最高の花である。まるで宇宙飛行士が漆黒の闇の中で回転する地球を…

第百回 新しい時代に何を手放すのか(7)

1.非時間の絶対性 モモ ミヒャエル・エンデ 岩波少年文庫 時間の国に辿り着いたモモは、マイスター・ホラの導きによって、星の振子が揺れる場所に立つ。その振子が黒い池の水面に近づくと、超絶的な美しさの花が咲くのであった。モモはそれを「すべての花…

第九十九回 新しい時代に何を手放すのか(6)

1.鈍感力による繁栄 前回のブログで触れたように、朝顔の実験における科学的理解はIQやEQの問題ではない。また、民族や言語、文化や宗教を問わない。ホモ・サピエンスに共通して埋め込まれている知的プログラムである。 プログラム、すなわちそれは自動的…

第九十八回 新しい時代に何を手放すのか(5)

1.神のような知性が悪魔になる 私はキリスト教徒ではないが、時折聖書を読む。読むたびに、サピエンスの始まりを示す以下の文章が、あまりにも見事に構成されているため驚く。 旧約聖書 創世記 関根正雄訳 岩波文庫 13-14頁 さてヤハウェ神がお造りになっ…

第九十七回 新しい時代に何を手放すのか(4)

1.命を謳歌する動物と、命に怯える人間 智慧の樹の実を食べたアダムとイヴは、エデンから離脱する。こうして人類の始祖はヤハウェから呪いをかけられ、悲しみとともに楽園を去った。だがそれは心躍る船出でもあった。田舎から都会に出た若者が、親もとを離…

第九十六回 新しい時代に何を手放すのか(3)

1.サピエンスに対する恐れ 「最も恐ろしいもの」と言われて、何が頭に浮かぶだろう。核ミサイルであろうか。戦争であろうか。全財産を失うことであろうか。それとも究極の恐怖、すなわち死であろうか。ところで私ならその問いにこう答えたい。「最も恐ろし…

お知らせ

岡崎直子さんの以下の動画については、第九十回ブログで紹介しました。そこでは「純粋贈与」という言葉が極めて重要な、中核的なものとして紹介されていました。私はその語りに魅了、触発され、大きく閃くものがありました。 「純粋贈与」とは何なのか。それ…

第九十五回 新しい時代に何を手放すのか(2)

1.このままでは人類は壊れてしまう 前回のブログでは大西つねき氏の動画を紹介した。そこで氏は、虚構を虚構として見抜くことの重要性を説き、これからの時代はそうした虚構を手放す時代だと述べている。もちろん、氏も「サピエンス(知性)」の存在価値を…

第九十四回 新しい時代に何を手放すのか(1)

1.新しい時代についての大西つねき氏の話 前回のブログで、新しい時代の到来について述べたが、それについて今回から具体的に述べていきたい。その内容について私の中でおおよそ決まってきた段階で、たまたま以下の大西つねき氏の動画を見ることとなった。…

第九十三回 友資さんの動画

以前、岡崎直子さんの動画を紹介したが(第九十回ブログ参照)、今回は友資さんの動画を紹介したい。「友資」と書いて「ゆうすけ」と読む。友資さんは介護士の仕事をしながら、自身の哲学的考察をYoutubeの動画で紹介している人である。 earthfulness.jp 岡…

第九十二回 一人でやる民主主義(6)

0.自己の政治について考える 前回のブログでは、アフターコロナの世界について述べた。そこではベーシックインカムが導入され、国民一人一人に金が配られるが、個別のケースに応じた細かい福祉は消失するだろう。金が振り込まれて「あとは知らない」という…

第九十一回 一人でやる民主主義(5)

1.ベーシックインカムで儲けるGAFA 新型コロナウイルスの蔓延により、企業が次々に倒産している。体力の乏しい企業はもちろん、通常なら倒産と無縁の優良企業も倒産している。いわゆる「コロナ倒産」である。これにより失業者が増え、多くの人達が生活の危…