第三次世界大戦を心配するブログ

国際情勢や歴史、その他について書いていきます。

第三十一回 CSIS、その歴史と日本との関係(9)

1.カポー

 かつてナチスは、アウシュビッツなどの強制収容所において、カポーと呼ばれるユダヤ人管理者たちに、ユダヤ人の管理をさせた。ユダヤ人を強制労働させる際に、彼らにムチを打ったのは、ドイツ人よりもむしろ、カポーと呼ばれたユダヤ人であった。ヴィクトール・E・フランクル(1905-1997)は、次のように書いている。

 

夜と霧 V.E.フランクル 霜山徳爾訳 みすず書房 76頁

囚人が飢え、そして飢え死にしている間に、カポー達は少くとも栄養の点では悪くなかった。それどころか若干のカポーは、彼の生涯で今までなかった程、恵まれていたのであった。従ってこれらのカポーのタイプは心理的・性格的にはナチス親衛隊員や収容所の看視兵と同じように判断されてよい。すなわちカポーは彼等と心理学的・社会学的に同化したのであり、彼等に協力したのであった。カポー達はしばしば収容所の看視兵よりも「手厳しく」普通の囚人を悪意をもって苦しめた人々であり、例えば親衛隊員すらよりも遥かに多く普通の囚人を殴打したのであった。そういう行為に適した囚人だけが一般にカポーになったのであり、この意味において「協力」しなければ直ちにおとしめられたのである。

 

 ユダヤ人をムチで激しく殴打したのはユダヤ人であった。これはナチスが発明したメソッドではない。西洋で長年にわたり蓄積してきた植民地支配のノウハウの一つである。ムチで打つのは疲れるし、相手にも怨まれる。罪悪感も生じる。どう考えても、いい仕事ではない。それゆえ、奴隷にムチを打つ役割は、宗主国の人間よりも、現地人のエージェントに担わせる方がよい。

 これまで、植民地管理の手法と歴史について見てきたので、これから、現代の植民地支配機関であるCSISと日本との関わりについて、具体的に見ていきたいと思う。日本におけるCSIS関連人物や関連組織、つまりカポーやカポー団体について列挙し、CSISと日本との具体的な関係性について考察していきたい。

 

2.日本のカポーたち

(1)笹川グループ

 笹川良一(1899-1995)は戦前の右翼系暴力団の大物として有名であるが、戦後は巣鴨プリズンに入った後、CIAのエージェントとなっている。戦前、彼は国粋大衆党のボスであったが、当時の部下だった児玉誉士夫(1911-1984)も、戦後はCIAのエージェントになっている。児玉と最も親密な政治家が、中曽根康弘であった。

 日本財団グループは、建前的には笹川良一の言う「人類みな兄弟」の精神を体現する組織ということになっているが、中身的には「人類みなCIA」の精神で成り立っている。それゆえ、ボスだけでなく、部下たちも皆CIAである。例えば、郵政民営化の運動で小泉純一郎というエージェントと一緒に活動し、日本人の郵貯財産を全てモルガンなどの白人たちに譲渡した竹中平蔵は、東京財団の元理事長である。

 グループ内組織の一つ、公益財団法人笹川平和財団は、2013年、CSISと共同で日米の政策立案者と研究者から成る「日米安全保障研究会」を設立した。日本からは羽生次郎(笹川平和財団会長)、山口昇(防衛大学教授)、折木良一(元統合幕僚長)、加藤良三(元駐米大使)、田波耕治(元大蔵事務次官)といった錚々たる人物たちが参加している。

 

笹川平和財団 SPFフェローシップ

https://www.spf.org/_jpus-j_media/fellowship/spf.html

 

 日本の官僚や自衛隊のトップは、CSISと一心同体であることがわかる。笹川グループはその仲介役を担っているのである。笹川グループは、笹川良一というヤクザ兼CIAエージェントを教祖とする巨大グループであるが、笹川亡き後も、その役割は変わっていない。つまり、ヤジロウとして宗主国に仕えることである。

 

(2)松下政経塾

 MRA(Moral Re-Armament 道徳再武装運動)には岸信介中曽根康弘といった政治家のみならず、松下幸之助などの財界の大物も参加した。共産主義者労働組合の大嫌いな松下幸之助は、反共産主義運動としての道徳再武装運動に参加したのである。彼はそこで抜け目なくロックフェラーなどの国際的な人脈とつながり、松下グループをさらに発展させるためのきっかけを持った。

 その松下が70億の私財を投じて設立した私塾が松下政経塾である。当然、松下がつくった塾である以上、ここの門下生たちはロックフェラーのエージェントとなる。つまり、エネルギー産業や軍需産業に「No」を言わない人材となる。卒業生には自民党の政治家だけにとどまらず、野党議員も多数いる。また、政界のみならず、学界、経済界、マスコミにも多くの人材を輩出している。つまり、カポーによるカポー養成機関である。

 

松下政経塾 卒塾生の進路

https://www.mskj.or.jp/almuni/index.html

 

 宗主国からすれば、植民地の奴隷が自主的にカポーを養成してくれることは、大変都合のいいことである。また、政界だけでなく、幅広い分野にカポーを広げてくれること、あるいは自民党だけでなく、野党にもエージェントが分配されていることは、宗主国にとって大変に都合のいいことである。

 民主党政権時代の野田佳彦前原誠司も、松下政経塾出身のエージェントである。それゆえ、民主党野田政権時代の日本も、CSISと一心同体であり、看板以外は基本的に安倍政権と同じである。

 

ハムレ米戦略国際問題研究所CSIS)一行による野田総理大臣表敬

https://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/s_noda/1210_usa_3.html

 

 竹下派七奉行の一人として自民党の大物政治家だった渡部恒三(1932-)は、後に民主党最高顧問となっている。彼は2012年に政界を引退している。長男の渡部恒雄(1963-)はCSIS非常勤研究員であり、笹川平和財団上席研究員である。

 

(3)稲盛和夫

 稲盛和夫は日本のビジネス界におけるビッグネームであるが、最近では「生き方」「働き方」「心」などの人生論関係の本も多数出しており、ビジネスの枠にとどまらない、カリスマ的存在である。どこの本屋においても稲盛のコーナーがあり、彼はまさに、日本人にとって、人生の師匠のような地位を築いている。しかし、もともと松下幸之助(1894-1989)に心酔していた彼は、松下と同様、ロックフェラーのエージェントである。稲盛和夫松下政経塾の相談役でもある。

 彼は日本の政界や財界とCSISをつなげるパイプ役である。現在、財界では最もCSISとつながりの深い人物が稲盛であり、彼は「アブシャイア・イナモリ リーダーシップ・アカデミー」(Abshire-Inamori Leadership Academy 略称AILA)をCSIS内に設立している。

 なお、アブシャイヤとはDavid Manker Abshire(1926-2014)のことであり、ジョージタウン大学出身の軍事と諜報の専門家である。彼はCSISの創設メンバーの一人であり、ミサイル問題にも精通していることから、レーガン政権時代にはNATOの大使を務めたこともある。

 

Abshire-Inamori Leadership Academy

https://www.csis.org/programs/abshire-inamori-leadership-academy