戦争と平和、そして無記

国際政治や歴史、およびその根底にある人類の心のメカニズムについて考察していきます。

第三十二回 台風という気象兵器

1.台風についての思い込み

 前回までCSISと日本の関係について書いてきた。今回もCSISシリーズの続きを書く予定であったが、マスコミの台風についての報道を見聞きしているうちに、台風について心配になってきたので、CSISシリーズは次回から復活するとして、今回は台風について書きたいと思う。

 私が台風について心配していることは、気象や防災に関することではない。気象関係のことや、防災関係のことについては、私はまったくの素人である。だから私が心配して、ここでそうした分野について語っても意味がない。そういったことについては、私も含めて各自が災害について勉強をし、事前準備をもとに適切な行動をするしかない。

 私が心配していることは、マスコミの報道によって、人々が台風を自然現象だと完全に思い込んでしまうことである。もちろん、マスコミは台風が自然現象であるとは、一言も述べていない。しかし、あのような報道を真に受けてしまうと、台風が人工的に操作できるものであり、気象兵器による産物の一つなのだという視点が完全に欠落してしまう。

 もちろん、2019年の台風19号(ハギビス)が人工台風であるかどうかはわからない。それゆえ、確たる証拠もなく、私が今回の台風を人工台風だと断言することは間違っている。しかし、あらゆる台風を自然現象だと思い込むことも間違っているのだ。

 

2.人工台風は禁止されている

 人工台風は存在しないという考えは、完全に間違っている。なぜなら、人工台風は国連で禁止されているからだ。存在しないものを国連がわざわざ総会を開いて禁止するはずがない。禁止するということは、実際にそれが十分にありうるということである。

 具体的には、環境改変技術の軍事的使用その他の敵対的使用の禁止に関する条約(Convention on the Prohibition of Military or Any Other Hostile Use of Environmental Modification Techniques、略称:ENMOD)である。1976年12月10日、第31会期国連総会決議で採択され、1978年10月5日に発効した国際的な規定である。署名48か国、批准78か国である。

 これにより、人工的に地震津波、台風などを引き起こすことが国際的に禁止され、126カ国がこの条約に賛同している。では、なぜ禁止された時期が1970年代の後半なのか。それは、気象を操作する技術が実際の戦争で使われたからである。それが、ベトナム戦争時のポパイ作戦(Operation Popeye)である。米軍は、戦況を有利にするために、ベトナムにおいて人工的に雨を降らし、このことが後の国連におけるENMOD成立につながっている。

 

気象を操る。人類が天候をコントロールした10の歴史

https://www.excite.co.jp/news/article/Karapaia_52231256/?p=6

 

3.気象兵器は科学の常識である

 気象兵器や人工台風という言葉を聞くと、いまだに都市伝説や陰謀論だと思い込む人達がいる。そういう人達は、天気に関することは全て自然現象だと思い込んでいる。あるいはそう思いたいのかもしれない。しかし、実際はそうではない。なぜなら気象改変技術は、怪しげなダーク・ファンタジーの話ではなく、科学的に実在するものだからだ。

 お天気に関することは全て自然現象であり、人間が手をつけることは一切できないと思い込んでいる人は、能天気(脳天気)なのかもしれない。そういう人の脳は横に置いておいて、現実には気象改変技術は、科学界ではとっくの昔に常識となっている。それを、ジオエンジニアリングという。

 

気候変え地球を冷やす ジオエンジニアリングに脚光

https://www.nikkei.com/article/DGXNASDD3106Y_R00C10A6000000/

 

 気象を人工的に操作する技術は、オカルトや都市伝説の話ではない。それゆえ、台風を操る技術についても、オカルトではなく、極めて現実的、科学的なものである。例えばロス・ホフマン(Ross Hoffman)博士が書いた人口台風に関する論文は、オカルト雑誌ではなく、科学雑誌に載っている。

 

台風をあやつる 夢ではない天気の制御

http://www.nikkei-science.com/page/magazine/0411/typhoon.html

 

 2011年の大地震の後、当時の復興担当政務官であった浜田和幸氏は、地震津波を人工的に起こすのは技術的に可能で、国際政治、軍事上では常識化しているということを述べた。これは極めて真っ当な発言である。もちろん、彼は311の地震が人工地震であると断言したわけではない。現代において、ジオエンジニアリングは科学的に常識であり、それを軍事転用することは可能だという当たり前なことを、彼は述べただけである。

 

2011年07月11日衆議院復興特別委員会で浜田政務官が人工地震に言及

https://ceron.jp/url/www.youtube.com/watch?v=_D5oMLFDyXE

 

4.誰に使用することが最も適切か

 もちろん、このブログの読者の皆様にはおわかりのとおり、軍事技術と民間技術は一心同体である。つまり、ジオエンジニアリングとは、わかりやすく言えば、軍事用気象改変技術の民間転用である。民間技術という表の顔の裏には、必ず軍事技術がある。

 台風で敵を殲滅することができる技術は、台風の進路を変更し、自国民を守る技術ともなりえる。逆に、そうした非軍事技術は軍事用にもなりえる。つまり、表裏一体である。実際に、読売新聞2018年9月3日朝刊によると、日本政府は台風を操る技術について予算に計上することも考えていたようだ。

 

【保存】政府が「台風進路変更」「人工冬眠」などの研究に100億円計上?

http://hakka-pan.blog.jp/archives/20009166.html

 

 今回の台風19号が軍事技術による人為的なものであるかどうかはわからない。それは、311の地震津波も同様である。それゆえ、そうしたものを人工台風や人工地震だと決めつけることは間違っている。しかし、そうしたものを自然現象だと決めつけることも、間違っている。台風や地震津波を人工的に起こすことは、技術的には十分可能だからである。

 大災害が起こると、ほとんどの日本人が自然現象なのだと自動的に考える。しかし、現代のテクノロジー水準からすれば、そうした大災害を人為的に起こすことは可能である。では、もし、そうしたものを誰かが起こしたいとなった時、どこで起こすのが最も適切であろうか。

 答えは簡単である。そうしたものが起きた時に、自然現象だと信じて疑わない国民が集まっている国で起こすことが、最も適切である。犯人からすれば、安心である。被害者たちは、何が起きても自然現象だと考えてくれるからだ。気象兵器をもし使用するなら、疑いを持たない国民に対して使用することが、もっとも利口な方法である。

 

この地球を破滅に導く気象兵器

https://www.youtube.com/watch?v=wwQiKvC6kyI

 

※ 次回は、10月20日(日曜日)にアップロード予定です。