戦争と平和、そして無記

国際政治や歴史、およびその根底にある人類の心のメカニズムについて考察していきます。

第百七回 新型コロナワクチンと大出血(5)

1.ワクチンの奴隷

 前回のブログでは、「抗体依存性感染増強(Antibody-dependent enhancement 略してADE)」について取り上げた。ワクチンが目論見通りに働かず、むしろワクチンによって体内で形成された抗体が、免疫細胞等へのウイルスの感染を促進してしまうという現象である。

 北海道の医師であるシカハンターさんは、ADEについて次のように説明しており、大変興味深い。シカハンターさんは、ワクチンの接種によって不完全な抗体が体内に出来上がることを心配している。ワクチンを引き金としてウイルスに弱い体となり、さらなるワクチンが必要になる可能性がある。つまり泥沼である。

 

 ADE抗体依存性感染増強

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ADE抗体依存性感染増強 その2

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 シカハンターさんは、日本人が欧米人と比べて圧倒的にCOVID‐19において重症化率、死亡率が低い要因を、交差免疫とBCGワクチンにあるだろうと考えている。これとまったく同じ見解を述べている学者もおり、それが順天堂大学医学部教授の小林弘幸氏である。

 

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  シカハンターさんのようなワクチン反対派の医師の主張は、明確である。すなわち、ワクチン(コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン)は十分な治験を経ずに見切り発車で世に出ているものであり、体内で抗体を作成しても、その抗体が不完全である可能性があり、ADEのリスクがある。また、日本人はBCGと交差免疫により、COVID‐19の重症化リスクは低いのであるから、一部の高齢者を除けば日本人が急いでワクチンを接種する理由はない。

 要は、日本人は新型コロナウイルスを過剰に恐れる必要はなく、皆がワクチンを打つ必要もなく、普段の生活において自然治癒のための免疫力を高めていけばいいという話である。このような簡潔でわかりやすい話が、なぜTVや新聞では言われないのだろうか。

 理由は簡単であろう。自然治癒は儲からない。ワクチンという巨大利権の巨大な胃袋は、自然治癒で満たされることはない。というのも利権の側からすれば、病気が自然治癒することは望ましいことではないからだ。

 ワクチンを打っても半年しか持たない、変異株には効かない、体内で抗体ができても不完全である・・・といった結果は、利権の構造からすれば大変に歓迎すべきことである。その問題を解決するための更なるワクチンが必要であれば、巨大な胃袋に次から次へと金が注ぎ込まれるからである。

 新型コロナウイルスや新型ワクチン、そういったキャラクターは、我々の歴史の舞台では新しいものである。我々は見たことのない顔を見て驚き、生活が一変する。だが、舞台上のキャラクターが新しくても、その土台となる舞台装置はまったく新しいものではない。むしろ、何回も使われてきた古い装置である。

 それは、我々を依存させ、奴隷にして儲けるという仕組みである。かつて大英帝国は、中国人をアヘン漬けにすることで大儲けした。奴隷化に反逆した清朝は、アヘンの全面禁輸を決定、英国商人が保有するアヘンを没収し、処分した。これがきっかけとなり開戦、大英帝国が勝利し、南京条約により香港を手に入れた(アヘン戦争 1840-1842)。

 人間を依存させ、奴隷化して儲けるという手法は変わらないが、装置は進化している。今の舞台は戦争を必要としない。人々は自らの意思でアヘンを購入し、国家も売人と一心同体である。我々はワクチンを無料だと思い込むが、実は有料である。全ては税金によって支払われる。その舞台装置は19世紀のものと違い、あまりにも洗練されたシステムであるから、戦争が起こる余地すらないのである。

 

2.サイトカインストームとワクチンストーム

 誰もがウイルスを恐れ、マスコミもそれを煽る。だが、順天堂大学の小林弘幸教授は、新型コロナウイルスの毒性はインフルエンザウイルスよりも弱いと述べている。COVID‐19という病気において、最も恐ろしいものはウイルスの毒ではなく、サイトカインストーム(cytokine storm)である。

 

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  サイトカイン(cytokine)とは、免疫を活性化させるためのタンパク質である。ウイルスに感染した細胞はサイトカインを放出し、免疫細胞を活性化させる。これにより、免疫細胞がウイルスに感染した細胞を攻撃する。ウイルスに感染した細胞はウイルスを次から次に製造する工場と化しているから、免疫細胞に食べてもらうことで工場が潰れる。こうしてCOVID‐19は治癒されていく。

 だが、何らかの要因によりサイトカインがストーム(嵐)のように放出されるようになると、免疫細胞が過剰に活性化し、正常細胞も攻撃してしまうようになる。例えば肺でサイトカインストームが起これば、肺の細胞が免疫細胞によって攻撃され、肺炎が重症化する。志村けんさんや岡江久美子さんもこれで亡くなったと推測されているが、はっきりしたことはわかっていない。

 

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サイトカインストームのメカニズム

 

 インフルエンザウイルスの場合には、その増殖力により体内で急激に増え、体はそれに対抗するために高熱を出す。熱によってウイルスを死滅させようとする体の反応であるが、体の弱い子どもや老人は高熱に耐えきれずに死んでしまう場合もある。年間死亡者数は1万人程度と言われている。

 

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  他方、新型コロナウイルスの場合にはそこまでの急激な増殖力はない。そのため子どもや若者が重症化するリスクは低い。だが糖尿病などの既往症のある高齢者は、新型コロナウイルスによるサイトカインストームが起こり得る。

 となると、たとえ新型コロナウイルスも恐ろしいウイルスではないかという意見が出るかもしれない。たとえ新型コロナウイルスの毒性がインフルエンザより弱かろうが、つまり急激に体内で増える力やそれに伴う高熱が起きる確率が低かろうが、サイトカインストームを誘発する力を持つならば、新型コロナウイルスを軽く見ることは危険ではないかと。

 確かに、新型コロナウイルスがインフルエンザと違った力を持ち、それが人体にとって危険性を有するなら、「コロナはただの風邪」として軽視すべきではないだろう。だが、新型コロナウイルスはインフルエンザと違い、幅広い年代で重症化するものではない。

 サイトカインストームに注意すべき年代は高齢者であり、しかも既往症のある人々である。そうした事実を注視せず、12歳以上の子どもにまで接種するという体制が整いつつある。子どもたちはサイトカインストームよりもワクチンストームの方に注意を払うべきかもしれない。

 

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 3.未承認VS特例承認

 マスコミの洗脳により、我々の脳は「ウイルスが恐い」と思うように仕立てられている。だが、このウイルスについて学べば学ぶほど、ウイルスおよびワクチンから引き起こされる「免疫暴走」のシステムが見えてくる。新型コロナウイルス(正式にはSARSコロナウイルス2 Severe acute respiratory syndorome coronavirus 2)およびそれに基づく疾病COVID‐19(coronavirus disease 2019)のキー概念は、明らかに「免疫暴走」であろう。

 ならば、「免疫暴走」に対処するための薬品を承認するために政府もより積極的になるべきであろう。新型コロナと言えば、一にも二にも感染予防とワクチンが叫ばれる。マスク、消毒、うがい、手洗い、3密を避け、外食せず、ソーシャル・ディスタンスを保ち、ワクチンを打つ。そういったことばかりが言われる世の中になったが、本来はもっと「免疫暴走」に目を向けられるべきであろう。

 そのための薬品や医療体制が整えば、入院患者の退院も早まり、医療崩壊も防ぐことができる。医療従事者の皆様に感謝の拍手をするばかりで、具体的な体制を整備しないのなら、拍手も虚しい音を出すだけである。だが、政府はそういったことについてはやる気がなく、例えばイベルメクチンの承認については消極的なようだ。

 

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イベルメクチン 松原仁(衆議院議員 東京3区 Jin Matsubara) on Twitter

 

 イベルメクチンがCOVID‐19に対してどれだけの効力を持つかについては、確かに今後も検証が必要であろう。だが、恐らく政府は検証の意欲がないだろう。厚労省はイベルメクチンの承認に向けて力を注ぐより、未承認薬の服用を控えることを国民に啓発することの方に力を注いでいるようである。

 

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  イベルメクチンの実際的な効果について、私はまだ勉強不足のためわからない。だが、政府がその承認に向けて「やる気」がない理由はよくわかる。イベルメクチンの特許は放棄されており、インドや中国で大量製造がなされている。つまり安価である。イベルメクチンは国際金融資本にとって、まったく魅力がない商品なのである。

 

ノーベル賞の大村智教授は、特許権の一部を放棄し、10億人を救っていた

 

 イベルメクチンがもし駄目だとしても、その改良型、あるいはその他の薬品がサイトカインストーム対策として有効かもしれない。だが、政府はそちらの方面で努力をすることはないだろう。むしろ、国民全体にワクチンを打つことに全力を注ぐであろう。一部高齢者のためのサイトカインストーム対策という限られた市場と違い、一億総ワクチンの方が遥かに市場として大きいからである。

 オリンピックが金のために強行されることと同じように、新型コロナ対策も金のために行われる。国民の健康や生命を尊重しても、政治家は選挙で勝てない。選挙で勝つためのキーポイントは金である。となれば、この国の主権者は国民ではなく、金(Money)である。

 新型コロナウイルスのキーポイントが「免疫暴走」であっても、政策のキーポイントは金(Money)であるから、今後も注目点はサイトカインストームではなくワクチンであろう。イベルメクチンについては「安易な服用控えて」と厚労省は啓発するが、ワクチンについては「安易な接種控えて」と言うはずがない。

 しかし、よく考えてみればワクチンも緊急事態下での特例承認であるから、正常手続における承認ではない。となれば、イベルメクチンと同じように、我々も安易なワクチン接種は控えるべきであろう。個人輸入も自己責任であるが、政府推奨のワクチンも自己責任である。誰も責任は取らない。当たり前のことだが、自分で考えて決断する以外ないのである。