戦争と平和、そして無記

国際政治や歴史、およびその根底にある人類の心のメカニズムについて考察していきます。

2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

第六十回 イランとアメリカ、なぜ対立するのか ~その歴史的関係性(11)

0.シリーズの続き 今回からイランの近現代史を振り返るシリーズに戻りたい。第五十七回ブログの続きである。 1.コムの小さな火がアーバーダーンで燃え上がる 1978年1月7日、イランでエッテラーアート(Ettela'at)という保守系新聞に、ホメイニーを中傷…

第五十九回 新型コロナウイルスについて報道しない自由(2)

1.憲法22条とその例外としての感染症法 「人は誰でも知られたくないことがある」という言葉は、巷間でよく聞かれる。社会常識になっていると言ってもいい。それゆえ法的にも個人情報保護法が定められ、隠したいことは隠せるようになっている。ただ、問題は…

第五十八回 新型コロナウイルスについて報道しない自由(1)

0.予定変更 前回までイランの近現代史を見ることで、イランとアメリカの対立の原因について考えてきた。今回もその続編を書く予定であったが、予定を変更し、今回と次回の二回にわたり、コロナウイルスについての法改正およびその報道について述べていきた…

第五十七回 イランとアメリカ、なぜ対立するのか ~その歴史的関係性(10)

1.国境という怨嗟 アフリカや中東では、長年に渡った西洋による植民地支配の爪痕が今も残る。それが国境である。エジプトの国境線はエジプト人が決めたものではなく、イラクのそれもイラク人が決めたものではない。つまりイギリス人が決めた国境線の中に、…