戦争と平和、そして無記

国際政治や歴史、およびその根底にある人類の心のメカニズムについて考察していきます。

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

第七十八回 イランとアメリカ、なぜ対立するのか ~その歴史的関係性(22)

1.イラクのヒロシマ通り イラクのハラブジャ(Halabja クルド語Helebce)という町に、Hiroshima Street(ヒロシマ通り)という道がある。ハラブジャの人々にとって、広島は心の町である。ただ、日本人にとっては、ハラブジャは馴染みのない町であろう。広…

第七十七回 イランとアメリカ、なぜ対立するのか ~その歴史的関係性(21)

0.もとに戻る 今回からイランの近現代史シリーズに戻りたい。第七十回ブログの続きである。 1.「血の町」から日本へ ホッラムシャフル(Khorramshahr)は「心地よい町」という意味だ。イラクとの国境線に近い町で、人口は約30万、港湾の町として栄えた。…

第七十六回 命の選別とトリアージ(4)

1.スナップショットは断片でしかない 命は大切である。しかしその大切な命を私は食べる。主客二元論ではこの難問を解くことはできない。解けないことは、妙な開き直りの方向へ人を誘う。「命は大切だ」と思いながらも弱肉強食、強者の暴力を容認するという…

第七十五回 命の選別とトリアージ(3)

1.社会的対立は個人の心の中にある矛盾の反映である 「命の選別」という言葉は、人の心にさざ波を起こす。今回の大西つねき氏の問題も、その「さざ波」の奔流のままに進み、除籍処分によってなし崩し的に終わりを迎えた。世の中はこれで問題終結と見なした…

第七十四回 命の選別とトリアージ(2)

1.洗脳解除 前回のブログで述べたように、大西つねき氏は形だけ当選しても満足しない。こう言うと、他の立候補者も次のように言うだろう。「私も形だけの当選は目指していない、当選して政策を実行するのが目標だ」と。 普通の政治家は政策が第一だと言う…