戦争と平和、そして無記

国際政治や歴史、およびその根底にある人類の心のメカニズムについて考察していきます。

2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

第二十九回 CSIS、その歴史と日本との関係(7)

1.植民地における「四方良し」の構造 有色人種を戦争で打ち負かし、奪い取った領土から利益を搾り取るために、およそ500年にわたって研究を重ねてきた人達がいる。彼らにとって、植民地支配は国家の基幹事業である。しかし、私がそれを「悪」だと言って非…

第二十八回 CSIS、その歴史と日本との関係(6)

1.大学という軍事力 軍隊と大学と市民生活が一心同体であると言われても、おそらく一般市民からするとピンと来ない話であろう。それらは別々のものに見えるからだ。しかし実際には、我々の生活は軍事力と深い関係をもっている。特に、何百年も戦争と植民地…

第二十七回 CSIS、その歴史と日本との関係(5)

1.植民地支配の四層構造 外国での布教活動は、極めて困難な事業である。言葉が通じない。文化や価値観も違う。現地の人達はキリスト教をまったく知らない。知る必要もない。そうなると、イエズス会の神父たちがいくら優秀で、かつ事前調査がいくら綿密であ…

第二十六回 CSIS、その歴史と日本との関係(4)

1.イエズス会メソッドに敗れた日本 イエズス会系列の高等教育機関は、現在、世界で200以上にのぼる。その卓越した組織づくりのメソッドは、当然、軍事組織にも使われる。例えば有名なところでは、ナチスの親衛隊(ドイツ語でSchutzstaffel、略号SS)である…