戦争と平和、そして無記

国際政治や歴史、およびその根底にある人類の心のメカニズムについて考察していきます。

2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

第九十回 一人でやる民主主義(4)

1.人間の厄介な宿命 前回のブログでは、自分の外にある価値「 」(かっこ内)に、何を入れようが構造としては変わらないということについて述べた。外にある価値を追い求める限り、それに伴って自分自身はおざなりになる。つまり虚ろになる。自己の空虚さ…

第八十九回 一人でやる民主主義(3)

1.「転回」の重要性 前回のブログにおいて、書き込み欄にJobimさんという方が感想を書いてくれたが、そこに興味深いテーマが見えたので、今回はそこから話を始めてみたい。Jobimさんは次のように書いている。 「金融の世界から時々垣間見えるこの世の中は…

第八十八回 一人でやる民主主義(2)

1.未来を夢想して今を犠牲にするという暴力 これまでの民主化運動は、「より良い未来」を目的としたものであった。それは現状に欠陥を見出した理想家が、大衆に対して「より良い未来」を提唱し、働きかけるものであった。それは善意による働きかけであった…

次回アップロードは11月15日の予定です。 しばらくお待ちください。

第八十七回 一人でやる民主主義(1)

1.発芽としての「分断」 前回述べた通り「一人でやる民主主義」という言葉は語義矛盾である。「民」には人間集団という意味が当然に含まれているからだ。だが、現在の人間社会における閉塞状況が人間に求めている転換は、この語義矛盾の実践によって成し遂…