戦争と平和、そして無記

国際政治や歴史、およびその根底にある人類の心のメカニズムについて考察していきます。

2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

第二十一回 日本のカジノは誰のため

1.日本におけるカジノ政策 現在の日本には、日米同盟という名の下に、まるで日本とアメリカが対等な関係にあるかのような幻想がある。しかし、実際には日米間には明確な上下関係がある。それは前回見た司法権の例で明らかであり、植民地は常に宗主国に利用…

第二十回 忠犬は使い終わったら捨てられる

1.田中裁判官の経歴と砂川事件 Googleの検索ボックスに、「田中裁判官 アメリカの犬」と入れて検索すると、田中耕太郎裁判官(1890年10月25日-1974年3月1日)の情報が出てくる。 田中氏は、日本の著名な法学者、法哲学者であり、東京帝国大学法学部長、第…

第十九回 軍による国家支配

今年(2019年)は天安門事件が起きてから、ちょうど30年である。天安門事件(1989年6月4日)は、民主化を求める若者たちによる北京でのデモ行進を人民解放軍が弾圧し、多くの人命が失われた事件である。英国の報道によると、死者は一万人をこえるそうである…

第十八回 「報道の自由」と「報道しない自由」

私は民主主義における「報道の自由」を否定しているわけではない。民主主義国家なら自動的に国民に「知る権利」が手に入るという甘い話はないと言いたいのである。独裁主義国家や共産主義国家の体制を転覆して民主主義国家にすれば、「大本営発表」が自動的…

第十七回 大手メディアという既得権益(その二)

国税庁発表によると、平成27年(2015年)の日本人サラリーマン平均年収は420万円だそうである。大手企業の社員、例えば日立や東芝のような大企業の社員の年収も、700万から800万程度のようだ。他方、朝日新聞の社員は、30歳で平均年収1000万をこえる。NHKも…