第三次世界大戦を心配するブログ

国際情勢や歴史、その他について書いていきます。

第三十三回 自衛隊のホルムズ海峡周辺への派遣

 1.専守防衛が崩れるという大ニュース

 前回は予定を変更し、巨大台風について書き、今回はCSISシリーズに戻る予定であった。しかし、2019年10月18日に大ニュースが飛び込んで来たので、今回も予定を変更し、そのニュースについて考えていきたい。次回から、CSISシリーズに戻りたいと思う。

 その大ニュースとは、ホルムズ海峡周辺地帯に自衛隊を派遣することを、日本政府が正式に発表したことである。

 

政府、自衛隊をホルムズ周辺に独自派遣へ 米構想入らず

https://www.asahi.com/articles/ASMBL4KCFMBLULFA01M.html

 

 朝日新聞の記述によると、派遣の理由は、「中東情勢の安定と日本に関係する船舶の安全確保」であり、そのための「調査・研究」である。この「調査・研究」の肝心な内容については、国会承認が不要であり、防衛大臣の判断で実施できる。つまり、与党の一部の人間しか、情報を確保することはできないということであり、当然、国民はそれを知り得る手段がない。

 この「調査・研究」という言い方は典型的な東大話法であり、極めて「うまい」言い方である。「さすが」だと感心せざるを得ない。軍事的な常識から考えれば、この「調査・研究」とは諜報活動であり、簡単に言えばスパイである。分かりやすく言えば、自衛隊が中東に行って、米軍やCIAのスパイ活動の補助をするのである。

 もちろん、政府はそんな軍事的な常識を発表できないから、「中東情勢の安定と日本に関係する船舶の安全確保」のために、自衛隊がホルムズ海峡周辺地域に行って、現地の「調査・研究」をすると述べている。これは非常に曖昧な言い方であり、具体的に自衛隊が何をするのか、国民はまったくわからない。大本営はそうした煙に巻くような表現をするが、それを伝える大本営マスコミも九官鳥のようにそのまま言うだけである。

 これは2015年に成立した集団的自衛権関連法が、ついに実行に移されたということである。この関連法が成立するまでは、日本の防衛は専守防衛に限られたため、他国が日本を攻撃することが判明するまでは、自衛隊は自分から動かないということになっていた。もちろん、自衛隊アメリカの戦争に関わることも許されない。

 しかし、2015年にそれらの法律が成立することによって、自衛隊専守防衛の原則は崩れた。条件付きではあるが、自衛隊が米軍のための補助業務をしていいということになったわけである。下記は2016年の新聞記事である。

 

安保法‐29日施行 集団的自衛権行使が可能に‐毎日新聞

https://mainichi.jp/articles/20160329/k00/00m/010/039000c

 

2.大ニュースは小さな声で囁かれる方がいい

 上の毎日新聞の内容にあるように、2016年の時点では「関連法への国民の理解は深まっておらず、政府は当面、慎重な運用を図る方針」を取らざるを得なかった。この時はデモに集まる人数も相当なものだったので、法律は成立しても、実際に自衛隊を動かすことはとてもできなかったわけだ。そんなことをすれば、火に油を注ぐことになり、政権が転覆する可能性があった。

 しかし、それから3年が経ち、デモの参加者もいなくなった。もしかしたら、今もいるのかもしれないが、青色吐息であろう。それゆえ、満を持して、政府は自衛隊を動かすことを正式に決めた。これは、本来なら大ニュースである。なにしろ、自衛隊発足以来続いてきた専守防衛の原則が、ここで崩れたのである。

 自衛隊は、自国が侵略される危機にあるという状況に限って軍事活動を行う。他国の戦争に関わらない。これが専守防衛の原則である。憲法9条の解釈により長く続いたこの専守防衛の原則であるが、これが崩れたということは、大ニュースのはずである。もちろん、タカ派は喜び、ハト派は悲しむというふうに、国民感情的には一枚岩ではないだろう。しかし、喜びにせよ悲しみにせよ、大きなニュースであることは変わりないはずである。

 しかし、テレビも新聞もインターネットも、これを大ニュースとしては扱っていないようだ。今日の夜にラグビーの試合があることの方が、国民の関心事として上かもしれない。あるいは、巨大台風の被害のせいで、国民としてもそれどころではないという雰囲気なのかもしれない。となると、これは単なる想像であるが、人為的に巨大な台風を起こした後で、ホルムズ派遣を発表するという段取りならどうだろう。もしそういう段取りが決まっているなら、大したものである。

 何もない状況で自衛隊が中東に行くよりも、台風でにっちもさっちもいかない状況の中で、いつのまにか自衛隊の中東派遣が正式に決まる方が、穏便に事が運ぶはずだ。その前に、タンカーが一隻くらいは破壊されている方がよい。つまり、平穏な状況で集団的自衛権関連法が成立し、その後中東情勢が悪化、日本関連のタンカーが一隻だけ破壊され、巨大台風の直後に自衛隊の中東への派遣が正式決定するというプロセスは、それを望む方からすれば、極めて望ましい順番で起きていることになる。

 

3.タンカーが危ないのは誰のせいか

 最近は中東情勢が極めて不安定になり、日本に石油を運ぶタンカーも危ない状況にあるため、自衛隊が中東に行って現地の調査・研究をする必要がある・・・これが、日本政府発表の要旨である。これは、中東情勢についてあまり考えない国民にとっては、納得のいくものであろう。現に、日本企業である国華産業のコクカ・カレイジャス号(パナマ船籍)が、2019年6月13日が中東海域で攻撃を受けている。

 石油が日本に来なかったら、国民生活はパニックである。車にガソリンが入れられなくなり、石油ストーブに灯油を注ぎ足せなくなるだけでなく、石油を原料とする火力発電所も動かなくなる。つまり、石油がなくなると、電気もとまるということである。台風による停電により散々苦しめられた国民からすれば、中東からの石油がとまることは絶対に嫌なことのはずである。

 それゆえ、国際情勢についてあまり考えず、目先の家庭生活にばかり関心のあるような人からすれば、「石油を守るために自衛隊を中東に派遣しますよ」と政府から言われれば、それは大賛成だということになる。しかし、「中東情勢が不安定」というのは、果たして誰のせいであろうか。

 日本の嫌韓派は、政府が一度決めたものを政権が変わったからといって覆すことはけしからんと言って憤っている。朴槿恵政権と安倍政権との間で取り決められた慰安婦問題日韓合意(2015年12月28日)は、文在寅政権になってから履行されなくなった。これを日本の嫌韓派は「韓国のちゃぶ台がえし」と呼んでおり、怒り心頭である。

 しかし、そういった人達はアメリカの「ちゃぶ台がえし」については怒らないようだ。イラン人からすれば、「我々はそれよりもっとひどいちゃぶ台がえしをされている」と言いたいだろう。それが、2018年5月8日、トランプ大統領によるイラン核合意(JCPOA Joint Comprehensive Plan of Action 包括的共同行動計画)の離脱表明である。

 イラン核合意を締結したのはオバマ政権である。これにより、イランは核開発についてアメリカ等と合意し、イランとの国際的な貿易ラインも正常化に向かうはずであった。しかし、アメリカは政権が変わった後、自分が主導で締結した核合意をいきなり離脱し、イランに経済制裁を課した。イランからすればこれはひどい「ちゃぶ台がえし」であり、中東情勢が不安定となった原因はこの「ちゃぶ台がえし」に他ならない。

 また、コクカ・カレイジャス号を攻撃したのは、イラン側からすればCIAとその協力者たちであり、イラン政府ではない。そのあたりの詳しいことについては、第十四回ブログを見なおしていただきたいが、要は中東情勢の不安定化も、タンカーの破壊も、全てアメリカ側がやった可能性があるのだ。

 となると、日本が自衛隊を派遣して、対イランの諜報活動を開始するとなると、イラン側から見れば、日本も加害者の一味ということになる。日本は石油を守るために自衛隊を中東に派遣すると言っているが、その実質的な内容としては、石油危機の犯人のお手伝いをすることになるかもしれない。

 イランからすれば、中東の石油危機をつくっているのはアメリカである。そのアメリカに加担する自衛隊(日本軍)は、石油の安定供給を目的として中東に行くわけだが、実際にやる仕事は石油危機の主犯の手伝い、すなわち共犯業務なのかもしれない。もしそうならば、日本は石油の確保のために、石油の破壊をするということになる。つまり、本末転倒である。

 このままいくと、日本人は、自分のやっていることの意味がよくわからないまま中東で行動するということになりかねない。となると、戦争をやりたくてやっているアメリカの軍産複合体の方が、日本人よりは、まだ「マシ」だということにならないだろうか。悪いことを悪いとわかってやっている人間の方が、よくわからないままに悪いことをやってしまっている人間よりも、自覚的に生きているように見えるからである。

第三十二回 台風という気象兵器

1.台風についての思い込み

 前回までCSISと日本の関係について書いてきた。今回もCSISシリーズの続きを書く予定であったが、マスコミの台風についての報道を見聞きしているうちに、台風について心配になってきたので、CSISシリーズは次回から復活するとして、今回は台風について書きたいと思う。

 私が台風について心配していることは、気象や防災に関することではない。気象関係のことや、防災関係のことについては、私はまったくの素人である。だから私が心配して、ここでそうした分野について語っても意味がない。そういったことについては、私も含めて各自が災害について勉強をし、事前準備をもとに適切な行動をするしかない。

 私が心配していることは、マスコミの報道によって、人々が台風を自然現象だと完全に思い込んでしまうことである。もちろん、マスコミは台風が自然現象であるとは、一言も述べていない。しかし、あのような報道を真に受けてしまうと、台風が人工的に操作できるものであり、気象兵器による産物の一つなのだという視点が完全に欠落してしまう。

 もちろん、2019年の台風19号(ハギビス)が人工台風であるかどうかはわからない。それゆえ、確たる証拠もなく、私が今回の台風を人工台風だと断言することは間違っている。しかし、あらゆる台風を自然現象だと思い込むことも間違っているのだ。

 

2.人工台風は禁止されている

 人工台風は存在しないという考えは、完全に間違っている。なぜなら、人工台風は国連で禁止されているからだ。存在しないものを国連がわざわざ総会を開いて禁止するはずがない。禁止するということは、実際にそれが十分にありうるということである。

 具体的には、環境改変技術の軍事的使用その他の敵対的使用の禁止に関する条約(Convention on the Prohibition of Military or Any Other Hostile Use of Environmental Modification Techniques、略称:ENMOD)である。1976年12月10日、第31会期国連総会決議で採択され、1978年10月5日に発効した国際的な規定である。署名48か国、批准78か国である。

 これにより、人工的に地震津波、台風などを引き起こすことが国際的に禁止され、126カ国がこの条約に賛同している。では、なぜ禁止された時期が1970年代の後半なのか。それは、気象を操作する技術が実際の戦争で使われたからである。それが、ベトナム戦争時のポパイ作戦(Operation Popeye)である。米軍は、戦況を有利にするために、ベトナムにおいて人工的に雨を降らし、このことが後の国連におけるENMOD成立につながっている。

 

気象を操る。人類が天候をコントロールした10の歴史

https://www.excite.co.jp/news/article/Karapaia_52231256/?p=6

 

3.気象兵器は科学の常識である

 気象兵器や人工台風という言葉を聞くと、いまだに都市伝説や陰謀論だと思い込む人達がいる。そういう人達は、天気に関することは全て自然現象だと思い込んでいる。あるいはそう思いたいのかもしれない。しかし、実際はそうではない。なぜなら気象改変技術は、怪しげなダーク・ファンタジーの話ではなく、科学的に実在するものだからだ。

 お天気に関することは全て自然現象であり、人間が手をつけることは一切できないと思い込んでいる人は、能天気(脳天気)なのかもしれない。そういう人の脳は横に置いておいて、現実には気象改変技術は、科学界ではとっくの昔に常識となっている。それを、ジオエンジニアリングという。

 

気候変え地球を冷やす ジオエンジニアリングに脚光

https://www.nikkei.com/article/DGXNASDD3106Y_R00C10A6000000/

 

 気象を人工的に操作する技術は、オカルトや都市伝説の話ではない。それゆえ、台風を操る技術についても、オカルトではなく、極めて現実的、科学的なものである。例えばロス・ホフマン(Ross Hoffman)博士が書いた人口台風に関する論文は、オカルト雑誌ではなく、科学雑誌に載っている。

 

台風をあやつる 夢ではない天気の制御

http://www.nikkei-science.com/page/magazine/0411/typhoon.html

 

 2011年の大地震の後、当時の復興担当政務官であった浜田和幸氏は、地震津波を人工的に起こすのは技術的に可能で、国際政治、軍事上では常識化しているということを述べた。これは極めて真っ当な発言である。もちろん、彼は311の地震が人工地震であると断言したわけではない。現代において、ジオエンジニアリングは科学的に常識であり、それを軍事転用することは可能だという当たり前なことを、彼は述べただけである。

 

2011年07月11日衆議院復興特別委員会で浜田政務官が人工地震に言及

https://ceron.jp/url/www.youtube.com/watch?v=_D5oMLFDyXE

 

4.誰に使用することが最も適切か

 もちろん、このブログの読者の皆様にはおわかりのとおり、軍事技術と民間技術は一心同体である。つまり、ジオエンジニアリングとは、わかりやすく言えば、軍事用気象改変技術の民間転用である。民間技術という表の顔の裏には、必ず軍事技術がある。

 台風で敵を殲滅することができる技術は、台風の進路を変更し、自国民を守る技術ともなりえる。逆に、そうした非軍事技術は軍事用にもなりえる。つまり、表裏一体である。実際に、読売新聞2018年9月3日朝刊によると、日本政府は台風を操る技術について予算に計上することも考えていたようだ。

 

【保存】政府が「台風進路変更」「人工冬眠」などの研究に100億円計上?

http://hakka-pan.blog.jp/archives/20009166.html

 

 今回の台風19号が軍事技術による人為的なものであるかどうかはわからない。それは、311の地震津波も同様である。それゆえ、そうしたものを人工台風や人工地震だと決めつけることは間違っている。しかし、そうしたものを自然現象だと決めつけることも、間違っている。台風や地震津波を人工的に起こすことは、技術的には十分可能だからである。

 大災害が起こると、ほとんどの日本人が自然現象なのだと自動的に考える。しかし、現代のテクノロジー水準からすれば、そうした大災害を人為的に起こすことは可能である。では、もし、そうしたものを誰かが起こしたいとなった時、どこで起こすのが最も適切であろうか。

 答えは簡単である。そうしたものが起きた時に、自然現象だと信じて疑わない国民が集まっている国で起こすことが、最も適切である。犯人からすれば、安心である。被害者たちは、何が起きても自然現象だと考えてくれるからだ。気象兵器をもし使用するなら、疑いを持たない国民に対して使用することが、もっとも利口な方法である。

 

この地球を破滅に導く気象兵器

https://www.youtube.com/watch?v=wwQiKvC6kyI

 

※ 次回は、10月20日(日曜日)にアップロード予定です。

第三十一回 CSIS、その歴史と日本との関係(9)

1.カポー

 かつてナチスは、アウシュビッツなどの強制収容所において、カポーと呼ばれるユダヤ人管理者たちに、ユダヤ人の管理をさせた。ユダヤ人を強制労働させる際に、彼らにムチを打ったのは、ドイツ人よりもむしろ、カポーと呼ばれたユダヤ人であった。ヴィクトール・E・フランクル(1905-1997)は、次のように書いている。

 

夜と霧 V.E.フランクル 霜山徳爾訳 みすず書房 76頁

囚人が飢え、そして飢え死にしている間に、カポー達は少くとも栄養の点では悪くなかった。それどころか若干のカポーは、彼の生涯で今までなかった程、恵まれていたのであった。従ってこれらのカポーのタイプは心理的・性格的にはナチス親衛隊員や収容所の看視兵と同じように判断されてよい。すなわちカポーは彼等と心理学的・社会学的に同化したのであり、彼等に協力したのであった。カポー達はしばしば収容所の看視兵よりも「手厳しく」普通の囚人を悪意をもって苦しめた人々であり、例えば親衛隊員すらよりも遥かに多く普通の囚人を殴打したのであった。そういう行為に適した囚人だけが一般にカポーになったのであり、この意味において「協力」しなければ直ちにおとしめられたのである。

 

 ユダヤ人をムチで激しく殴打したのはユダヤ人であった。これはナチスが発明したメソッドではない。西洋で長年にわたり蓄積してきた植民地支配のノウハウの一つである。ムチで打つのは疲れるし、相手にも怨まれる。罪悪感も生じる。どう考えても、いい仕事ではない。それゆえ、奴隷にムチを打つ役割は、宗主国の人間よりも、現地人のエージェントに担わせる方がよい。

 これまで、植民地管理の手法と歴史について見てきたので、これから、現代の植民地支配機関であるCSISと日本との関わりについて、具体的に見ていきたいと思う。日本におけるCSIS関連人物や関連組織、つまりカポーやカポー団体について列挙し、CSISと日本との具体的な関係性について考察していきたい。

 

2.日本のカポーたち

(1)笹川グループ

 笹川良一(1899-1995)は戦前の右翼系暴力団の大物として有名であるが、戦後は巣鴨プリズンに入った後、CIAのエージェントとなっている。戦前、彼は国粋大衆党のボスであったが、当時の部下だった児玉誉士夫(1911-1984)も、戦後はCIAのエージェントになっている。児玉と最も親密な政治家が、中曽根康弘であった。

 日本財団グループは、建前的には笹川良一の言う「人類みな兄弟」の精神を体現する組織ということになっているが、中身的には「人類みなCIA」の精神で成り立っている。それゆえ、ボスだけでなく、部下たちも皆CIAである。例えば、郵政民営化の運動で小泉純一郎というエージェントと一緒に活動し、日本人の郵貯財産を全てモルガンなどの白人たちに譲渡した竹中平蔵は、東京財団の元理事長である。

 グループ内組織の一つ、公益財団法人笹川平和財団は、2013年、CSISと共同で日米の政策立案者と研究者から成る「日米安全保障研究会」を設立した。日本からは羽生次郎(笹川平和財団会長)、山口昇(防衛大学教授)、折木良一(元統合幕僚長)、加藤良三(元駐米大使)、田波耕治(元大蔵事務次官)といった錚々たる人物たちが参加している。

 

笹川平和財団 SPFフェローシップ

https://www.spf.org/_jpus-j_media/fellowship/spf.html

 

 日本の官僚や自衛隊のトップは、CSISと一心同体であることがわかる。笹川グループはその仲介役を担っているのである。笹川グループは、笹川良一というヤクザ兼CIAエージェントを教祖とする巨大グループであるが、笹川亡き後も、その役割は変わっていない。つまり、ヤジロウとして宗主国に仕えることである。

 

(2)松下政経塾

 MRA(Moral Re-Armament 道徳再武装運動)には岸信介中曽根康弘といった政治家のみならず、松下幸之助などの財界の大物も参加した。共産主義者労働組合の大嫌いな松下幸之助は、反共産主義運動としての道徳再武装運動に参加したのである。彼はそこで抜け目なくロックフェラーなどの国際的な人脈とつながり、松下グループをさらに発展させるためのきっかけを持った。

 その松下が70億の私財を投じて設立した私塾が松下政経塾である。当然、松下がつくった塾である以上、ここの門下生たちはロックフェラーのエージェントとなる。つまり、エネルギー産業や軍需産業に「No」を言わない人材となる。卒業生には自民党の政治家だけにとどまらず、野党議員も多数いる。また、政界のみならず、学界、経済界、マスコミにも多くの人材を輩出している。つまり、カポーによるカポー養成機関である。

 

松下政経塾 卒塾生の進路

https://www.mskj.or.jp/almuni/index.html

 

 宗主国からすれば、植民地の奴隷が自主的にカポーを養成してくれることは、大変都合のいいことである。また、政界だけでなく、幅広い分野にカポーを広げてくれること、あるいは自民党だけでなく、野党にもエージェントが分配されていることは、宗主国にとって大変に都合のいいことである。

 民主党政権時代の野田佳彦前原誠司も、松下政経塾出身のエージェントである。それゆえ、民主党野田政権時代の日本も、CSISと一心同体であり、看板以外は基本的に安倍政権と同じである。

 

ハムレ米戦略国際問題研究所CSIS)一行による野田総理大臣表敬

https://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/s_noda/1210_usa_3.html

 

 竹下派七奉行の一人として自民党の大物政治家だった渡部恒三(1932-)は、後に民主党最高顧問となっている。彼は2012年に政界を引退している。長男の渡部恒雄(1963-)はCSIS非常勤研究員であり、笹川平和財団上席研究員である。

 

(3)稲盛和夫

 稲盛和夫は日本のビジネス界におけるビッグネームであるが、最近では「生き方」「働き方」「心」などの人生論関係の本も多数出しており、ビジネスの枠にとどまらない、カリスマ的存在である。どこの本屋においても稲盛のコーナーがあり、彼はまさに、日本人にとって、人生の師匠のような地位を築いている。しかし、もともと松下幸之助(1894-1989)に心酔していた彼は、松下と同様、ロックフェラーのエージェントである。稲盛和夫松下政経塾の相談役でもある。

 彼は日本の政界や財界とCSISをつなげるパイプ役である。現在、財界では最もCSISとつながりの深い人物が稲盛であり、彼は「アブシャイア・イナモリ リーダーシップ・アカデミー」(Abshire-Inamori Leadership Academy 略称AILA)をCSIS内に設立している。

 なお、アブシャイヤとはDavid Manker Abshire(1926-2014)のことであり、ジョージタウン大学出身の軍事と諜報の専門家である。彼はCSISの創設メンバーの一人であり、ミサイル問題にも精通していることから、レーガン政権時代にはNATOの大使を務めたこともある。

 

Abshire-Inamori Leadership Academy

https://www.csis.org/programs/abshire-inamori-leadership-academy

 

第三十回 CSIS、その歴史と日本との関係(8)

1.ヤジロウの例:緒方貞子

 ここまで順番にこのブログを読んできた読者の皆様には、バラバラに分割されたように見えたものが、いかに密接なつながりによって成り立っているか、よくわかっていただけたと思う。イエズス会GHQ、CIA、CFR、CSISジョージタウン大学、ジョンズ・ホプキンス大学コロンビア大学アメリカ軍、そして現代のヤジロウたち。それらは一見、別々のようであるが、実際には一心同体である。

 その一つの具体例として、緒方貞子(1927-)がどんな人物なのか見てみよう。緒方貞子Google検索すれば、元国連難民高等弁務官であり、上智大学名誉教授と出てくる。しかし、その経歴の上っ面だけを眺めていても、彼女については何もわからない。しかし、彼女がこれだけの華々しい出世街道を歩いたのならば、一つの仮説をもとに彼女について考えることができる。つまり、彼女もヤジロウなのではないかということである。

 最近では上級国民や下級国民という言葉があるらしいが、白人の資本家が支配するこの世界では、日本人という人種自体が上級人種ではない。そのため、日本人が「上級」に近づくためには、上級白人の忠犬になる必要がある。それゆえ、彼女もヤジロウなのではないかという仮説をもとに、彼女の人的ネットワークを見てみよう。すると、彼女のまわりの人間が立派なヤジロウなのだとわかる。

 彼女の夫は、日銀理事の緒方四十郎(1927-2014)である。緒方四十郎の父は緒方竹虎(1888-1956)である。竹虎は元朝日新聞副社長であり、吉田茂内閣の副総理である。覚えておられるだろうか。緒方竹虎は、第二十七回ブログで紹介したCIAの忠犬9匹のうちの一匹である。竹虎のCIAコードネームは「POCAPON」(ポカポン)である。

 Wikipedia緒方貞子の経歴を見てみると、聖心女子大学英文科を卒業した後、ジョージタウン大学に留学したと出てくる。これは典型的なヤジロウの出世コースである。アンクル・トム(Uncle Tom)が小さな黒人小屋(Uncle Tom's Cabin)で一生を終えたくないのなら、宗主国の大学に進学すべきである。植民地の大学を卒業しただけでは、宗主国で相手にされない。

 なおかつ、政治家や軍人やスパイを目指すなら、留学先も厳選すべきである。ハーバード大学ケンブリッジ大学、オックスフォード大学やパリ大学といった一般の日本人にとって有名な海外の大学に進学しても、学者になるならともかく、植民地経営のIntelligenceを学びたいのなら、そういったところに進学することは適切ではない。その点、彼女がジョージタウン大学を選んだことは適切である。

 その後の彼女の勤め先も、POCAPON一族として非常に納得のいくものである。つまり、国連、外務省、ユニセフ上智大学、JICAである。これらは全て、同じ村の中の様々な家である。つまり、名前も組織も別々であるが、出所は一つ、同じ穴である。こうした同じ穴の中で様々な職場を経験することを、回転ドア(Revolving Door)と言う。

 

2.Revolving Door:同じ穴のムジナ

 この回転ドア(Revolving Door)がわからないと、世界支配の構造は永久にわからない。学校では絶対に教えないが、World Orderというものは、この回転ドア(Revolving Door)によって成り立っている。例えば、その高いコンピューター技術によって暴露以前までは出世街道を歩んでいたエドワード・スノーデン(1983-)も、様々な場所で働いてきた。肩書だけ見れば、若いわりには相当の転職を重ねてきたように見える。

 

スノーデンの職歴

2004年 アメリカ軍

2005年 NSA

2006年 CIA

2009年 DELLコンピューター

2013年 ブーズ・アレン・ハミルトン

 

 20代から30代前半までの約10年で、スノーデンは五カ所の職場を転々としたことになっている。前の三つは公務員であり、後の二つは私企業である。しかし、実際には、彼が就職活動をしたのは一回だけである。最初の米軍への志願入隊だけが、彼が行った唯一の就職活動である。足の負傷によって除隊した後、彼はNSAからスカウトされて、その後はずっと同じ職場である。つまり、支配者による奴隷農場という職場である。それゆえ、彼が形式的に何回か転職をしていても、中身的には一回も転職はしていない。

 ここで緒方貞子の経歴に戻ると、彼女もスノーデンと同じく、一回も転職をしていないと言える。国連、外務省、ユニセフ上智大学、JICAというのは、形式的には別組織であるが、中身的には同じ穴である。

 また、緒方貞子Wikipediaを読んでいると、興味深い文章を見つけることができる。

 

「2007年11月のデイヴィッド・ロックフェラー来日時には、回顧録出版記念パーティーの発起人を務めた」

 

 なぜロックフェラー家の大ボスと彼女との間に親密な関わりがあるのか。普通に考えてもよくわからない。そこで、「緒方貞子 CFR」というワードでGoogle検索してみる。すると、彼女がCFR(Council on Foreign Relations外交問題評議会)のメンバーであることがわかる。Wikipediaには、偶然なのか意図的なのかはわからないが、彼女がCFRの一員であるとは書いていない。

 そのようなキーポイントがわかれば、上記Wikipediaの謎の文章の意味も、よくわかってくる。CFRの名誉会長はデイヴィッド・ロックフェラーであるから、大ボスが来日したら部下が接待するのが当然である。緒方は英語に堪能であり、CFRやロックフェラーについてよく知っているのであるから、彼女が日本に滞在中のボスの面倒を見るというのは、当たり前なのだ。

 なお、緒方貞子が理事長をつとめたJICAは、ロックフェラー財団との深い関わり抜きにはあり得ない組織である。それは陰謀論でもなければ、私の勝手な推測でもない。JICAのホームページに書いてあることである。

 

概要 | 事業・プロジェクト - JICA

https://www.jica.go.jp/activities/issues/special_edition/security/summary.html

 

3.緒方貞子CSIS

 肩書の上っ面だけを眺めるならば、まるで緒方貞子CSISは無関係に見える。実際、緒方がCSISの職員だったことはない。それゆえ、マイケル・グリーン緒方貞子は、まったく関係のない二者に見える。しかし、両者がともにCFRのメンバー、つまりロックフェラーのエージェントなのだとわかれば、彼らの職場が別であっても、同じ穴の住人なのだとわかる。

 地上の穴だけを見るなら、穴は無数にある。国連、JICA、ロックフェラー財団世界銀行IMF、CIA、CFR、NSACSISイエズス会ジョージタウン大学、上智大学、外務省、アメリ国務省アメリカ軍・・・全てを列挙しようとするなら、何日かかるかわからない。穴は無数にあるからだ。しかし、単純にわかることがある。それらの無数の穴が、地下で一つにつながっているということである。

 色々な場所を出たり入ったりしているように見えても、それは同じ建物の回転ドア(Revolving Door)を通過しているだけである。緒方貞子も、マイケル・グリーンも、表だけ見れば、様々な職場で様々なことを経験している人物に見える。確かに、彼らは様々なことを経験し、様々な知識と技能を身につけたであろう。しかしどの部署に属していようとも、彼らはずっと同じ仕事しかしていないとも言える。

 つまり、世界人口の5%が残りの95%を支配するWorld Orderに彼らは属し、その支配システムの維持管理のために働いてきたということである。緒方貞子マイケル・グリーンは、片方は国連で片方はCSISであるから、肩書的にはまったく関係のない人物である。しかし、彼らは同じ村の構成員である。だから、関係のないように見える二人の職場が、ある時に重なっても、まったく不思議はない。彼らは同僚になる以前から、同じ穴のムジナだったからである。

 

マイケル・グリーン 上智大学特任教授就任

https://www.sophia.ac.jp/jpn/news/PR/2017/1002001.html

第二十九回 CSIS、その歴史と日本との関係(7)

1.植民地における「四方良し」の構造

 有色人種を戦争で打ち負かし、奪い取った領土から利益を搾り取るために、およそ500年にわたって研究を重ねてきた人達がいる。彼らにとって、植民地支配は国家の基幹事業である。しかし、私がそれを「悪」だと言って非難しても、世界は何も変わらない。このブログの目的は、隠された「悪」を告発することではない。事実を知ることによって自分自身の物の見方を変えることが目的である。

 相手を非難することは非生産的であるが、相手を知ることは生産的である。彼らの思考様式がわかれば、我々のような平和ボケの日本人であっても、日常のニュースをまったく違ったものとして見ることができるようになる。軍事と学問と市民生活は、深い関係にある。この観点を基準点として、日常のニュースを読み解けばいい。

 そのスコープから見えてくるものは、この日本という国も、いつの間にか軍産複合体に組み込まれているという事実である。例えば、四国の田舎に、官邸の肝いりで農獣医系の大学が新設される。日本のマスコミは右も左も官邸の味方であるから、頓珍漢な論点で騒ぎ立てる。つまり、総理大臣のお友達を税金で優遇するのかという問題で騒ぎ立てるのだ。

 これは明らかにトリックである。日本においては、毛細血管にいたるまでCIAが入り込んでいる。ある新聞記者が病気で入院したら、CIAの人がお見舞いに来るわけである。となると、大手マスコミが本当のことを書くはずがない。しかし、何も書かないのでは仕事にならない。それゆえ、本題とは別のところを論点にして騒ぎ立てる。そうやって、国民に本題が見えないようにする。これがプロのマスコミの仕事である。

 見えにくい本題は、政府と軍事と学術研究の深い関係である。つまり、あえて人口の少ない地域にバイオ関係の研究施設を新設するわけである。となれば、話の筋は見えてくる。生物兵器の開発である。つまり、フォート・デトリック(Fort Detrick)の下請け的な仕事である。最先端の生物兵器は、甚大な殺傷力を持つので、万が一漏れた場合のことを考えると、人口の少ない地域でなければ困るわけだ。

 そう考えると、問題はお友達行政よりもセキュリティである。最先端の生物兵器がそこにあるとなれば、それを欲しがるテロリストは世界中にいる。果たして、四国の学園の横には、それをガードするための自衛隊の基地はあるだろうか。これは東京都武蔵村山市の感染研でも同じことである。エボラ関係のウィルス兵器を、どこかの国の手練れの軍人が盗みに来た時、警備員や警察官で対処できるはずがない。

 しかし、自衛隊による物々しい警備をしてしまうと、市民に怪しまれてしまう。そこで、官僚はいつもの得意技で対処する。すなわち、「事故は起こらない」という信仰を持つのだ。この信仰は思考停止である。マスコミも含め、皆でこのことを考えないようにする。戦前から現在にまで続く日本人の伝統芸である。

 

高致死率ウイルス初輸入へ 今夏にもエボラなど 感染研「了承」

https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201905/CK2019053102000141.html

 

 この記事は、感染研に危険なウイルスが入ってくる理由を、「東京五輪パラリンピックを踏まえ、多様な国の人が集まり感染症が持ち込まれる可能性に対処するため」と述べている。しかし、それは政府発表を九官鳥のようにそのまま言っているだけである。真実を知りたい人からすれば、その政府発表が果たして本当であるかをジャーナリストに調べてもらいたいわけである。

 もちろん、感染症対策としてウイルス研究をするというのは本当であろう。しかし、研究所と軍事力の深い関係という視点からすれば、それだけの理由で大量の税金が動くとは思えない。政府発表は嘘ではないが、氷山の一角しか言っていないはずである。そして、ベテラン記者なら、そのことに気づいているはずである。

 しかし、日本の場合はこれでいいのだろう。宗主国からすれば、植民地の奴隷たちが軍事情報について知る必要はない。政府からすれば、政府が憲法違反をしていることを国民が知る必要はない。新聞記者からすれば、余計なことを言って左遷されるよりも、つまらない記事を書いて年収1000万を確保する方がいい。国民からすれば、恐いことは知りたくないので知る必要はない。

 これはまさに「三方良し」ならぬ「四方良し」である。「良し」と言っても、日本国民にとって「良い」わけではなく、支配者にとって「良い」わけである。しかし、宗主国にとって都合の「良い」体制を下支えしているものは、国民の「知りたくない」という心情である。これがわかると、支配者と奴隷の共犯関係が見えてくる。

 

2.国民の思考停止が植民地経営を下支えする

 戦前において、真っ当な精神の日本人は「この戦争、負けだな」と心の中で確信していた。しかし、それを口に出して言うことは、治安維持法違反の疑いがあり、逮捕される可能性があった。戦後、治安維持法はなくなったが、この伝統芸自体は続いている。例えば、熊本県の内科医、小野俊一さんは、東京電力の社員の信仰心について著書(「フクシマの真実と内部被曝」七桃舎)の中で述べている。

 彼は医師になる前は東京電力で働いていた。小野さんは、東京大学を卒業後、東電に就職した。若い時の彼は、まだ日本の伝統芸を十分に理解していなかったのだろう。放射性廃棄物を1000年間どうやって東電が管理するのか。そういう真っ当な疑問を持ったわけである。しかし、そういう疑問を持った若手達を、当時原子力技術課長であった武藤栄氏は一喝したそうである。「東電がきちんと管理すると言っているのになぜ納得しないんだ!納得しないのはおかしい!」

 日本社会においては、疑問を持たずに黙々と働くことが推奨される。だから、戦前の日本では「こんなことやってても負けるんじゃないか」とか「竹やりの訓練は何のためにやるんだろう」とか考えずに、ただ言われたことを黙々とやることが求められた。

 戦後の日本でも基本的に同じであり、「こんなズサンな施設だと、いつか大変なことになるのではないか」とか「1000年間放射性物質を管理するってどうやってやるんだろう」とか考えずに、ただ黙々と上からの命令を実行することが大事なのである。小野さんは後に東電を辞めるが、武藤さんはその美徳を貫き、篤い信仰心によって東電の副社長になった。

 これは四国のバイオ大学や武蔵村山市のバイオ研究所の件でも同じである。「バイオ施設がテロリストに襲われたらどうしよう」とか、「そもそも軍事用の生物兵器の開発って憲法違反じゃないのかな」とか、余計なことを考えることは、この社会では推奨されない。

 余計なことを考えずに、黙って目の前の業務をこなす。こうした日本人の美徳と信仰心は、植民地経営に大いに役に立っている。宗主国と植民地との一心同体の関係は、真実を知らせたくないという宗主国と、余計なことを考えずに、ただ黙々と目の前の仕事をこなしていきたいという植民地との絶妙な関係により成り立っている。

 アメリカの植民地は日本だけではないが、日米関係ほど穏やかにうまくいっている関係はない。それは、信じさせたい支配者と、信じたい奴隷との間の蜜月関係である。この蜜月を維持するための人材が、この国では出世する。余計なことを考える人間は出世しない。

 それは、宗主国から求められていないという理由だけではない。奴隷の間でも、そんな人物は求められていないのだ。奴隷は真面目に目の前の仕事を黙々とこなし、仕事が終わったら家に帰って小さな幸せを満喫する。そういった箱庭の幸せをかき乱す人間は、この国では求められていないのだ。

 この構造が植民地支配を下支えしている。それは、アメリカが暴力で日本を支配している構造ではなく、日本人が大きなものを信じたいという気持ちを強く持っていることから成り立っている構造である。信じたい国民は、信じたい政治家を選ぶ。国を信じたい国民は、アメリカを信じたい政治家を選ぶのだ。そのため、洗脳された政治家を国家のリーダーに選んでしまうのである。

 

3.蜜月という犬舎の愛玩犬

 現在の日本の政治家で、若手のホープは、何と言っても小泉進次郎(1981-)であろう。古い政治家たちの出世コースは、CIAの申し子になることであったが、新しい世代の政治家の出世コースは、CSISの申し子となることである。現在38歳の彼は、恐らく、40代のうちに総理の椅子に座るだろう。

 彼は、関東学院大学を卒業後、ジェラルド・カーティス(Gerald Curtis 1940-)の手引きでコロンビア大学に留学している。その後、CSISで洗脳教育を受けている。彼の教育係がジョンズ・ホプキンス大学出身のマイケル・グリーン(Michael Green 1961-)である。彼は元NSC(United States National Security Council)のアジア担当であり、東京大学に留学経験もあり、日本語に堪能である。CFRの研究員やジョージタウン大学の准教授を務め、現在はCSISの副理事長である。

 つまり、マイケル・グリーンは日本支配のスペシャリストであり、日本人よりも日本人の弱点をよく知っている。日本人は強欲でなく、質素倹約で満足するが、小さな幸せに対する執着心は物凄く強い。そのため、大きなものを必死になって信じようとする。それが日本人の弱点だ。それゆえ、アメリカは常に日本を脅しつつ、その強さと大きさを見せて、この懐に入れば安心だと言い続ければいい。不安と安心の飴と鞭を使い続ければいいのである。

 そういう日本支配のスペシャリストと小泉進次郎では、植民地支配に関する知力の点で、とてつもない差がある。その差はザビエルとヤジロウの差よりも大きく、キッシンジャーと中曽根の差よりも大きいだろう。その点では、小泉があっけなくCSISで洗脳されてしまったとしても、致し方ないと言える。グリーンからすれば、小泉はいつまでも「かわいい」忠犬である。

 

小泉進次郎の覚悟「国会では友人はできない」 - FNN.jpプライム

https://www.fnn.jp/posts/00338310HDK

 

 戦後、GHQは優秀な忠犬を探し、岸信介を見出した。その後、キッシンジャーは中曽根を教育した。そして20世紀、CSISマイケル・グリーン小泉進次郎を教育した。戦後70年以上が経っても、日米のこうした主従関係はまったく変わっていない。アメリカという巨漢の主人の足元で、子犬は安心して夢を見るのである。

 ただ、時が経つにつれ、蜜月の在り方も変わった。忠犬の知力は時が進むにつれ、低下する。昔と違い、ヤジロウは必ずしも優秀である必要はなくなった。岸信介中曽根康弘小泉進次郎というように、その知力は階段を転がり落ちるように劣化した。かつての忠犬は主人の悪巧みと共謀する狡猾な犬だったが、時が経ち、主人を信じる「かわいい」忠犬となってしまった。

 岸信介は「昭和の妖怪」と呼ばれた鋭い頭脳を持つ軍用犬であったが、小泉進次郎はそれに比べれば愛玩犬でしかない。シェパードとポメラニアンくらいの違いがある。しかし、現在求められている総理大臣の資質はそんなものなのかもしれない。失言しない程度の知力があればいい。国民の人気があり、血統がよく、見た目がいいならば、忠犬はそれほど優秀でなくていい。その点では、これはこれで、コロンビア大学CSISというアメリカの軍事的Intelligenceの傑作と言えるのだろう。

 

小泉進次郎という政治家を徹底分析してみる

https://toyokeizai.net/articles/-/291310?page=2

第二十八回 CSIS、その歴史と日本との関係(6)

1.大学という軍事力

 軍隊と大学と市民生活が一心同体であると言われても、おそらく一般市民からするとピンと来ない話であろう。それらは別々のものに見えるからだ。しかし実際には、我々の生活は軍事力と深い関係をもっている。特に、何百年も戦争と植民地支配を基幹事業として行ってきた国からすれば、平時と戦時の明確な線引きは存在しない。

 400年以上にわたって植民地経営を行ってきたイギリス、およびそのイギリスから独立し、世界の覇権を握るアメリカには、植民地支配に関するIntelligenceとStudiesの膨大な蓄積がある。それゆえ、帝国主義時代を過去のものとする現在においても、世界の大学ランキングの上位を占めるのは欧米の大学である。

 

THE世界大学ランキング2020 日本から110校がランクイン トップ200は中韓下回る2校のみ

http://www.koukouseishinbun.jp/articles/-/5638

 

 アジア最古の大学は、1611年に設立されたフィリピンの聖トマス大学(University of Santo Tomas)である。東京大学が建設されたのは、1878年である。アジアの大学の歴史も、それなりの年月を持っている。しかし、世界の学術研究の中心は、昔も今も圧倒的に欧米である。東京大学のランキングは上記ページによると、36位である。

 なぜ世界の学術研究の中心が欧米なのか。それは、欧米人が他の人種と比べて先天的に優秀な頭脳を持っているからではなく、彼らの近代史が戦争と植民地支配の歴史だからである。ほとんどの学問分野は、戦争と植民地経営に深く関わっている。つまり、軍事的支配と学術研究は、一心同体で進歩してきたのだ。

 例えば、工業系の学問は最新兵器開発と直結している。原爆を開発したのは数学者と物理学者と工学者である。暗号解読の根幹は数学であり、現在のコンピューターは、第二次大戦時の暗号解読マシーンがもとになっている。言語学民族学は、欧米諸国がアジアやアフリカを植民地支配するとともに発展した。

 鉄道は軍事物資の運搬用として発展し、気象予報も元々は軍事情報である。無線などの通信機器も、もとは軍事用であるし、生物兵器化学兵器の開発が、生物学、医学、化学の発展を促した。美容整形医療の原型は、戦場で顔を負傷した兵士のための整形技術である。女性用のストッキングは、軍事化学会社のデュポンが、軍事技術を平時の商売に適用して開発されたものだ。

 つまり、戦争と植民地支配が当たり前となっている国からすれば、平時であっても軍事開発が当たり前であるから、軍事と学問、産業と市民生活は一心同体の四角形である。戦地で用いる仮設住宅の技術が一般住宅の建設にも転用され、軍事技術から転用された鉄道、車、コンピューターを使って市民は生活し、軍事から転用された医療技術や薬品のお世話になる。義務教育制度も、元々は富国強兵のため、つまり軍事制度である。

 結局のところ、どこからどこまでが軍事用で、どこからどこまでが一般生活用なのか、その線引きは簡単にはできない。大学で研究開発されたものが軍事用に使われ、軍事用に使われたものが応用され、一般生活用の商品やサービスとなる。問題は、このことを宗主国はよく知っているが、植民地の国民が知らないことである。

 特に日本国民は、大学や市民生活は、軍事力から切り離された平和な空間なのだと牧歌的に思い込んでいる。そういう呑気な思い込みは、支配者側からすれば、大変に都合がいい。支配者は奴隷に真実を知ってもらいたくない。死ぬまで夢を見てもらいたいのである。

 

2.大学と洗脳教育

 アメリカの軍事拠点と言われると、日本人は基地を思い浮かべるかもしれない。しかし、基地は軍事力の一部にしか過ぎない。確かに、軍事力には戦闘機やミサイルも含まれる。しかし、軍事力の根幹は知力であり、物質的な武器は枝葉に過ぎない。つまり、軍事力の基盤となるものは学術センターであり、大学である。

 では、アメリカの軍事的学術拠点はどこか。その主なものを三つあげろ。そう問われても、ほとんどの日本人はわからないだろう。日本がアメリカの植民地であることは、かなり多くの日本人が知っている。しかし、多くの日本人はアメリカのことを知らないし、知ろうともしない。これは支配者側からすれば都合のいいことであるし、戦後、GHQがそういう日本国民を教育やメディアによって栽培してきた成果だとも言えるだろう。

 アメリカの軍事的な大学の三本柱は、ジョージタウン大学、ジョンズ・ホプキンス大学コロンビア大学の三つである。このことを知らないと、アメリカを知ったことにはならない。アメリカを知らないということは、日本人が自分たちの支配者を知らないということである。つまり、自分が誰に管理されているのかよくわからないで生活しているということである。

 ビル・クリントン河野太郎が、ハーバード大学ではなく、あえてジョージタウン大学に入学しているのは、そういった軍事的な知識を得るためであり、そういった人脈とつながるためである。CSISマイケル・グリーンの出身校は、ジョンズ・ホプキンス大学である。小泉進次郎が留学した大学は、コロンビア大学である。

 大学は、軍事的なIntelligence のセンターであるが、植民地支配に関しては、もう一つ重要な役割がある。それは、植民地のヤジロウ候補をそこに入れて、洗脳する役割である。しかし、勘違いしてはいけない。支配者はヤジロウを無理やり洗脳するのではない。現実においては、奴隷の方が、自らすすんでそうした洗脳センターに入っていくのである。それがアンクル・トム(Uncle Tom)の出世街道だからである。

 1549年、最初のイエズス会士が日本の地を踏んだ時には、ヤジロウは一人しかいなかった。彼は当時の日本人からすれば、怪しい南蛮人の通訳にしか過ぎなかった。しかし、その後ヤジロウは進化し、ヤジロウでなければ日本で出世できないという時代が訪れた。戦後の総理大臣で安定政権を築ける者は、必ずエージェントである。つまり、首相がエージェントではないのなら、その政権は短命であらざるをえない。

 こうした「岸方式」は、戦後の植民地支配のシステムとして、今に至るまで続いている。これに気づいて、自分からすすんでアメリカの洗脳センターに入った政治家が、大勲位中曽根康弘(1918-)である。彼は、岸信介も参加していた道徳再武装運動に参加し、そこでアメリカ人有力者とつながった。

 

道徳再武装

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%93%E5%BE%B3%E5%86%8D%E6%AD%A6%E8%A3%85#cite_ref-15

 

 ここで中曽根は、ジョンズ・ホプキンス大学教授のナサニエル・セイヤーと知り合った。セイヤーはCIA東アジア部の幹部でもあったので、中曽根は彼を通してCIAとつながりを持つことができた。そうして彼はCIAのエージェントとして、日本の政界で出世街道を駆け上がることになる。

 中曽根が後に原子力政策に邁進したきっかけは、ハーバード大学教授のキッシンジャーと知り合ったことであった。セイヤーの紹介で、中曽根は1954年、初めてハーバード大の夏期講座に参加した。それがキッシンジャーのゼミナールだったのである。中曽根はそこで原子力の重要性についてたたき込まれ、キッシンジャーは中曽根を原発建設に誘導した。

 キッシンジャーユダヤ系ドイツ人であるが、ナチス時代にアメリカに亡命し、アメリカで成功した政治学者、政治家である。しかし、もともとは軍人であり、第二次大戦中はOSS(Office of Strategic Services CIAの前身)でアレン・ダレス(1893-1969)のもとで働いた有能なスパイでもある。戦後はハーバード大学および同大学院に進学し、学者をやりながらロックフェラー家のために活動をするようになる。彼の二番目の妻は、ネルソン・ロックフェラー (Nelson Rockefeller 1908-1979)の秘書をしていた女性であった。

 中曽根はセイヤーやキッシンジャーを通してロックフェラーとつながり、政界で出世するきっかけをつかんだが、同時にキッシンジャーは中曽根を通じて、日本の各界のボス達とつながることができた。こうして、中曽根やキッシンジャーという仲介人をもとにして、支配層と奴隷層がうまくつながり、植民地支配が円滑にまわるものとなったのである。

 

池田大作先生の足跡 > 世界交友録 > ヘンリー・A・キッシンジャー

https://www.sokanet.jp/sokuseki/koyu/kissinger.html

 

 キッシンジャーは政界を引退した後、CSISの理事となっている。彼の植民地支配のノウハウは、CSISに受け継がれた。それゆえ、キッシンジャーと中曽根の関係は、次回に詳述するマイケル・グリーンと小泉の関係と基本的に同じである。

 アメリカの学者に教育された中曽根は、見事な忠犬となった。以下の中曽根の発言は、彼が見事に洗脳されたことの証明と言える。それはアメリカの大学という軍事力の成果とも言える。原住民の酋長を白人の忠犬に仕立てあげるテクニックは、見事なものである。それは、ミサイルや戦闘機などの物質的テクノロジーよりも、遥かに重要な軍事的技術ではなかろうか。

 

不沈空母、中曽根氏やはり発言? 訪米時、日本側が記録

https://www.asahi.com/articles/ASJDV4K3LJDVUTFK00F.html

 

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H.Kissinger and N.Rockefeller

 

第二十七回 CSIS、その歴史と日本との関係(5)

1.植民地支配の四層構造

 外国での布教活動は、極めて困難な事業である。言葉が通じない。文化や価値観も違う。現地の人達はキリスト教をまったく知らない。知る必要もない。そうなると、イエズス会の神父たちがいくら優秀で、かつ事前調査がいくら綿密であっても、布教は不可能に近い。となると、この不可能を可能にするためには、現地人の忠実なエージェントが必要となる。

 青い目の南蛮人だけで乗り込んでも、現地人からの信頼は得られない。それゆえ、フランシスコ・ザビエルには、現地人のエージェントが必要であった。それがヤジロウであった。ヤジロウはバイリンガルであり、かつ、ザビエルを深く尊敬していた。つまり、ヤジロウは青い目の神父と日本人との仲介役として、最も適任だったのだ。

 このような、イエズス会が経験した布教活動の様々な苦労とノウハウは、その後のヨーロッパ諸国のアジア・アフリカ植民地支配に大いに役に立った。植民地支配は暴力だけではできない。仮に戦争に勝って、征服に成功しても、暴力だけでは統治ができない。現地人が支配者の言うことをきくようにならなければ、植民地支配は不可能である。

 となると、戦争と征服の前段階として、綿密な現地調査が必要である。現地調査のためには、国内に調査機関が必要であり、そのセンターとしての研究所や大学が必要である。人材育成も必要である。となると、外国を侵略して植民地支配するためには、自国内に巨大な学術センターが必要である。そこで集積されたIntelligenceやStudyが、現場の軍人や官僚や政治家の行動のための指針となる。

 その指針をもとにして、宗主国から送られた人材が現地で働く。しかし、実際に現地で暮らす彼らは、マニュアルにない様々な困難に直面する。そうした経験も大変に貴重なものである。その経験を本国に持ち帰って、センターに集積する。それが、その後のより発展的な植民地支配に役立つ。こうして、植民地と本国とのIntelligenceの円環運動が繰り返され、支配のノウハウは深まっていくのである。

 アメリカと日本の関係で言えば、現地で実践にあたる人材が、軍人や大使館職員、CIAやNSAの職員、アメリカ企業の日本支社の社員などである。彼らは日本に住んでいる。これに指令を与えるのが本国政府であり、要は本店の人間達である。そうした本店と支店とのやり取りと経験を、全て集積するセンターがある。それが学術センターである。この三つが、植民地支配のための三角形として必要である。

 ただ、この三角形だけでは植民地統治はできない。ここに、現地人のエージェントというファクターが必要不可欠となる。アメリカ人だけで日本を支配することは絶対にできない。これは絶対原則であるから、手先となって宗主国のために働いてくれる忠実な日本人が必要である。つまり、植民地支配という大事業を行うためには、現地で働く人材、本店の人間、学術センター、現地人の手先という四角形が必要不可欠なのである。

 

植民地支配の四層構造

Ⅰ.現地で働く宗主国の人間達(軍隊、大使館、スパイ、企業の現地支社)

Ⅱ.本国の植民地管理部門の人間達(政治家、官僚、軍人、大企業経営者)

Ⅲ.学術情報センター(大学や研究所)

Ⅳ.現地人のエージェント(現地人の政治家、官僚、大企業経営者、学者、マスコミ)

 

2.戦後のヤジロウ

 ヤジロウは、尊敬するザビエルやイエズス会のために、粉骨砕身、生涯を捧げて働いた。これと同じように、GHQは日本を統治するにあたって、優秀な日本人エージェントを必要としていた。ただ、いかに優秀であっても、アメリカに対して謀反を企てる人物ではいけない。しかし、単なる無能な忠犬であってもダメだ。つまりその人材は、愛国心に薄く、平気で祖国を裏切るが、アメリカのことは裏切らず、かつ優秀でなければならない。こうした難しい条件下でのリクルーティングが、GHQには必要となった。

 この困難な要件を充たす人物がいた。それが岸信介(1896-1987)である。岸は開戦時の東条内閣の商工大臣であったから、普通ならA級戦犯として起訴されており、とても総理大臣になるどころではなかったはずである。しかし、岸を調べたGHQは、この人物こそがエージェントにふさわしいと判断した。そのため、岸は戦犯として処刑されず、日本国の総理大臣となったのである。

 

なぜ岸信介は「A級戦犯」として起訴されなかったのか(魚住昭

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/49940

 

岸信介とCIAの密接な関係 自民党にも金の流れ?

https://dot.asahi.com/wa/2013051700001.html?page=1

 

3.ヤジロウの細分化

 岸だけでなく、賀屋興宣正力松太郎児玉誉士夫笹川良一、田中清玄、笠信太郎緒方竹虎、野村吉三郎といった錚々たるメンバーがCIAのエージェントとなった。要は、政界、財界、暴力団、右翼、左翼、マスコミのボスたちが、CIAのエージェントになったのである。

 

中央情報局

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%A4%AE%E6%83%85%E5%A0%B1%E5%B1%80

 

 ただ、その後日本が発展し、経済力や人口も増大し、国民の知的教養や知識量も増えるに従って、より細かいところでエージェントが必要になった。各界のボスだけを押さえておけば全国を支配できるという状況ではなくなったのだ。そのため、下記のページにあるように、中間管理職的な地位の新聞記者に対しても、CIAは資金援助するようになる。

 最初、ヤジロウは一人だった。しかし、今では何人いるのか、恐らく数えることは不可能であろう。こうして、各界のボス猿を手下にするような植民地支配のシステムから、より細かいものへとシステムは進化した。その支配網は、今では日本の毛細血管にまで行き渡っているのである。

 

CIAスパイ養成官キヨ・ヤマダ、日本企業に今も残る「教え子」たちの影響力

https://diamond.jp/articles/-/213851