戦争と平和、そして無記

国際政治や歴史、およびその根底にある人類の心のメカニズムについて考察していきます。

2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

第五十二回 イランとアメリカ、なぜ対立するのか ~その歴史的関係性(5)

1.曖昧な経済と明確な金儲け モサデクはおそらく信じていたのであろう。イランが植民地支配から脱却すれば、自力で生まれ変わることができると。彼の目からすれば、欧米人が頻繁に用いる「援助」という言葉は、彼らが金を儲けるための「投資」であり、結局…

第五十一回 イランとアメリカ、なぜ対立するのか ~その歴史的関係性(4)

1.植民地に求められるリーダー像 欧米人は民主主義が大好きである。それゆえ、アジアやアフリカの独裁国家が大嫌いである。彼らからすれば、民主的なプロセスを経ずに暴力で政権を握り、死ぬまで権力を手放さない独裁者は、身の毛もよだつほどに醜く見える…

第五十回 イランとアメリカ、なぜ対立するのか ~その歴史的関係性(3)

1.近代化はYES、独立はNO 欧米人は、植民地が近代化し、欧米のような国になることについて大歓迎である。独裁国家が民主化することは大歓迎であり、選挙のない国で普通選挙が行われることは大歓迎であり、自由な経済競争が行われることは大歓迎であり、義…

第四十九回 イランとアメリカ、なぜ対立するのか ~その歴史的関係性(2)

0.イランとアメリカの関係性 前回のブログでは、予定を変更して新型コロナウイルスについて考察した。今回は、第四十七回ブログからはじめているシリーズに戻りたいと思う。イランとアメリカがなぜ対立するのか、その歴史的関係性について述べていきたい。…

第四十八回 新型コロナウイルス その蔓延を喜ぶのは誰か

0.予定変更 今回は予定を変更し、新型コロナウイルスについて考察していきたいと思う。 1.動物という物言わぬ魔女 新型コロナウイルスの感染源は、中国の食物市場にあるアナグマや竹ネズミではないかと言われている。日本の大手メディアは、概ねそうした…