戦争と平和、そして無記

国際政治や歴史、およびその根底にある人類の心のメカニズムについて考察していきます。

2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

第八十六回 イランとアメリカ、なぜ対立するのか ~その歴史的関係性(30)

1.イランの歴史から見える三つのパターン 前回までは、第三次世界大戦の引き金になりうるアメリカとイランとの対立関係について見てきた。両国の対立については大手メディアも頻繁に報じており、世界中の注目が集まっている。しかしメディアは両国の政治的…

第八十五回 イランとアメリカ、なぜ対立するのか ~その歴史的関係性(29)

1.兵糧攻めとその先にあるもの これまでイランとアメリカの蜜月の歴史、および対立の歴史を見てきた。それは従属と蜜月が同じであり、独立と対立が同じであるという歴史であった。複雑に利害が絡み合った歴史のようであるが、その実、「利害」という点では…

第八十四回 イランとアメリカ、なぜ対立するのか ~その歴史的関係性(28)

1.イランがとった国際妥協路線 どこの国もそうだが、イランも一枚岩ではない。保守派もいれば革新派もいる。反米派もいれば親米派もいる。様々な民族がおり、宗教も統一されていない。内部分裂は深刻であるから、あちらを立てればこちらが立たない。つまり…

第八十三回 イランとアメリカ、なぜ対立するのか ~その歴史的関係性(27)

1.イデオロギーは信じるものではなく利用するもの 前回のブログで紹介したように、アメリカは他国に対してこれまで248件の軍事介入を行い、第二次世界大戦以後に限っても、37ヵ国で2000万人以上を殺害したそうである。なぜアメリカはそのような殺人国家な…