戦争と平和、そして無記

国際政治や歴史、およびその根底にある人類の心のメカニズムについて考察していきます。

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

第六十九回 イランとアメリカ、なぜ対立するのか ~その歴史的関係性(19)

1.独立闘争から分裂闘争へ 1979年11月4日、アメリカ大使館人質事件が起きた。この事件によってイランは国際的な非難を浴びたが、国内的には愛国心の高揚につながった。11月6日、バザルガン内閣は総辞職し、ホメイニーを頂点とする宗教指導者たちによる政治…

第六十八回 イランとアメリカ、なぜ対立するのか ~その歴史的関係性(18)

1.大使館という宝物庫 前回のブログではアメリカ人がイラン人を嫌う理由、および「アルゴ」についての二つの見方について考察した。そこでは「大使館」についての見方がキーポイントになると述べた。「大使館」という言葉はgoo国語辞書によると以下のよう…

第六十七回 イランとアメリカ、なぜ対立するのか ~その歴史的関係性(17)

1.アメリカがイランを嫌う理由 アメリカとイランは対立関係にある。この対立は最近はじまったものではなく、様々な要因が絡んでいる。ただ対立の歴史は平板なものではなく起伏があり、そこには象徴的な事件が存在する。対立を最も象徴する事件が、1979年11…

第六十六回 イランとアメリカ、なぜ対立するのか ~その歴史的関係性(16)

1.激化した民主化運動は予想と違った結果を招く イラン革命の大火は、1978年1月7日の新聞記事から始まったと見ていいだろう。この時の火はまだ小さなものに過ぎなかった。しかし、エッテラーアート(Ettela'at)の記事が発端となったコム(Qom 現在はゴムG…