戦争と平和、そして無記

国際政治や歴史、およびその根底にある人類の心のメカニズムについて考察していきます。

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

第七十三回 命の選別とトリアージ(1)

0.予定の変更 今回からイラン近現代史に戻る予定であったが、予定を変更し、今回と次回の二回に渡り、大西つねき氏の「命の選別」発言について考えていきたい。 1.騒動の経緯と訣別の原因 れいわ新選組所属の政治家、大西つねき氏の「命の選別」発言につ…

第七十二回 報道しない奴隷とその脱却法(2)

1.奴隷という鏡 日本政府が打ち出している観光需要喚起政策である「GoToキャンペーン」は、1.7兆円という大規模予算による政策だそうだ。これが政府と電通との共同事業であることは、勘のいいひとなら新聞を見る前に気づいているだろう。そういう人からす…

第七十一回 報道しない奴隷とその脱却法(1)

0.予定の変更 前回までイランの近現代史について見てきた。イランという中東の一地域に過ぎない限定的な場所であっても、その歴史をつぶさに見てみると、そこにはGlobal経済の席巻が見て取れる。Global企業が国家と組み、合法的強盗がまかり通っているのが…

第七十回 イランとアメリカ、なぜ対立するのか ~その歴史的関係性(20)

1.奴隷制度のグローバル化 アメリカは資本主義の国である。しかし、この「資本主義」という言葉を「自由な経済競争」と見ると、本質が見えなくなってしまう。「資本主義」という言葉が世に出る前から、「自由な経済競争」は存在したからだ。江戸時代の商人…